国土交通省は、制定を検討している「航空法施行規則第236条の82第1項第2号の規定により飛行の方法に係る承認が不要な飛行の取扱い(仮称)」について、2025年11月24日まで意見を募集する。

 無人航空機で危険物を輸送したり物件を投下したりする際は、国土交通大臣の承認を受けなければならず、農薬等の空中散布を行う場合も承認を受ける必要がある。

 2021年の規制改革要望等を受け、無人航空機を使用した農薬等の空中散布に係る飛行の承認を不要とすることについて、有識者等によるワーキンググループが検討を行い、一定の要件を満たした場合は、航空機の航行や地上の人・物件の安全を確保できるものとして、承認を不要とすることを取りまとめた。

 これを踏まえ、一定の要件を満たして行う農薬等の空中散布等に係る無人航空機の飛行については、法第132条の86第5項第1号の「航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全を確保することができるものとして国土交通省令で定める方法による飛行」に含めるため、航空法施行規則の改正を予定している。

 この改正について、無人航空機の機能、性能、操縦者の知識、能力等、詳細の要件を定める通達を新たに制定する。

 公布・施行は2025年12月上旬を予定している。

【主な内容】

  • 規則改正案における「飛行の方法に応じ必要な機能及び性能を有するものとして国土交通大臣が定める基準に適合する無人航空機」として、第一種機体認証又は第二種機体認証を受けた無人航空機であること等を定める。
  • 規則改正案における「無人航空機を飛行させる者が、当該無人航空機を安全に飛行させるために必要な知識及び能力として飛行の方法に応じ国土交通大臣が定めるものを有していること。」について、飛行させる無人航空機の種類等に係る限定を受けた一等無人航空機操縦士又は二等無人航空機操縦士の技能証明を有していること等を定める。
  • 規則改正案における「法第132条の86第2項第5号に掲げる方法によらずに飛行させる場合にあっては、農薬その他の人に危害を与え、又は他の物件を損傷するおそれがある物件で国土交通大臣が定めるものを輸送するものであること。」について、当該物件として、農薬取締法第3条第1項又は第34条第1項に基づく登録を受けている(同法第3条第1項ただし書を除く。)農薬及び肥料の品質の確保等に関する法律に定義する肥料を定める。
  • 規則改正案における「飛行の安全を確保するために必要なものとして国土交通大臣が定める方法により飛行させること。」について、飛行前に気象、機体の状況、飛行経路等について安全に飛行できる状態であること等を確認すること。
  • 5m/s以上の突風が発生するなど、無人航空機を安全に飛行させることができなくなるような不測の事態が発生した場合には即時に飛行を中止すること。
  • 飛行前に、周辺のほ場において飛行中の他の無人航空機を確認した場合には、飛行日時、飛行経路、飛行高度等について、他の無人航空機を飛行させる者と調整を行うこと。


▼「航空法施行規則第236条の82第1項第2号の規定により飛行の方法に係る承認が不要な飛行の取扱い(仮称)」の制定(案)に関する意見募集について
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155251257&Mode=0