Teledyne FLIR OEMは、「Boson+IQサーマルイメージング開発キット」を9月9~12日に開催された展示会「DSEI UK 2025」で発表した。ハードウェアとPrismソフトウェア統合のリファレンス実装を提供し、防衛やセキュリティ、産業プラットフォームなどで高度な熱感知技術を活用したエッジAI機能を迅速に開発できる。
開発キットの中核として、Qualcomm Dragonwing QCS8550 SoCを搭載したTeledyne FLIR OEM AVPを採用。同SoCは、標準的な消費電力2.5Wで50 TOPS(trillion operations per second)を実現している。また、そのマルチコア・アーキテクチャーは、Prism AIの物体検知モデルに加えて、ノイズ除去や超解像といったPrism ISPの機能をサポートし、過酷な環境下でも鮮明な画像を提供する。
柔軟性と拡張性を考慮して設計された同キットは、3つのMIPIインターフェースを備えたインターフェースボードとキャリアボードを含み、可視光センサーなどさまざまなタイプのセンサーをシステムに統合できるようにしている。また、Boson+とPrism SDK、ハードウェアのインターフェース制御マニュアル(ICD)が付属するほか、プロトタイプから本格展開までシームレスに開発できるよう専門的な技術支援も行う。
Boson+IQ開発キットは、今後追加する予定のPrism SKRやPrism Supervisorとの互換性を持つ。Prism SKRは自律的な目標探知とターミナル誘導を可能にする。Prism Supervisorは、GPSあるいは視覚ベース・ナビゲーション(VBN)による位置認識技術を用いて指定の中間地点への自律航行を実現する。これらにより、防衛やセキュリティ分野、産業オートメーションにおける必要不可欠な用途に強力な能力を付与する。
Teledyne FLIR OEM製品マネージメント・プログラム担当副社長
Jared Faraudo氏のコメント
Boson+ IQ開発キットは、特に無人航空機や徘徊型兵器、地上のロボットといった自律型アプリケーションのためにAIをエッジで活用して、よりスマートで効率的な熱画像システムを構築しているインテグレータを大きな飛躍へと導きます。当社の高性能なBoson+サーマルカメラに加えてPrism AIとISPソフトウェアをQualcomm社の最新鋭の演算プラットフォームに統合すれば、開発サイクルの迅速化や業界最高水準の画像品質が実現するうえ、電力消費を最小限にとどめてより長時間にわたるミッションを継続できるようになります。
