2025年9月16日、日本調剤は、サイバーエージェント連結子会社のMG-DXが提供する接客AIエージェント「薬急便 遠隔接客AIアシスタント」および「薬急便モバイルオーダー」を日本調剤南小岩薬局に導入したと発表した。

 患者来局時のAIによる無人受付や、別店舗にいる薬剤師によるオンライン服薬指導、受け付け済み患者情報の一元管理を可能とし、薬局での待ち時間削減を目指す。薬剤師がより高い専門性を発揮できる環境を整え、患者の利便性と医療サービスの向上を実現する。

サイバーエージェント、MG-DX、日本調剤のロゴ

 超高齢社会の進展に伴う医療サービス需要の増大を受け、厚生労働省は「患者のための薬局ビジョン」を2015年に策定し、薬局・薬剤師の役割を「対物中心から対人中心」の業務へシフトさせる方向性を掲げている。

 薬局特化型の接客AIエージェントである薬急便 遠隔接客AIアシスタントと薬急便モバイルオーダーの導入により、処方箋受付とその管理を自動化するとともに、別店舗にいる薬剤師から遠隔での服薬指導が可能となる。薬局での待ち時間削減と薬局業務の効率化を図ることで、患者の利便性向上と、薬剤師がより患者と向き合う専門性の高い業務に注力できる環境を構築する。

日本調剤南小岩薬局での取り組み

  • AIエージェントを活用した受付の自動化
     新規受付や事前に処方箋を送信した患者など、すべての受付パターンにおいてAIによる自動受付を可能とし、お薬手帳の持参有無、処方箋受付や保険証の確認といった一連の対応を担う。
    写真:タッチパネルとAIエージェント
    AIエージェントを活用した自動受付機
  • オンライン服薬指導を活用した柔軟な運用による待ち時間の短縮
     薬局内に設置した専用のオンライン服薬指導ブースを活用し、混雑時などには別店舗にいる薬剤師が遠隔で服薬指導を実施する。これにより、患者への対応を日本調剤の薬剤師が柔軟に分担できるようになり、店舗の薬剤師は調剤など、店舗でしか対応できない業務に注力することができる。
    写真:タッチパネルとAIエージェント
    別店舗にいる薬剤師によるオンライン服薬指導の様子
  • 待ち状況の可視化と一元管理によるスマートな薬局体験の提供
     薬急便モバイルオーダーと連携することで、受け付け情報を一元的に管理し、受け付け順の整理や対応状況を円滑に把握できるようになり、受け付け業務の効率化とスタッフの業務負荷軽減に貢献する。店舗内のサイネージや患者のスマートフォンから外出先でも待ち状況をリアルタイムで確認することができ、時間を有効に活用できる。
    写真:モニターに表示された、薬の準備ができた番号
    薬急便モバイルオーダーによる待ち時間表示画面

 今後、日本調剤は、薬急便 遠隔接客AIアシスタントおよび薬急便モバイルオーダーによる患者の利便性向上や薬局業務の効率化などの効果検証を進めながら、導入店舗の拡大を検討するとしている。

【参考】調剤受付AIアシスタント デモ動画(AI-SaaS「薬急便」YouTubeチャンネル)