2025年9月19日、リックスは、酪農用の餌寄せロボットを開発中であり、農業・食品産業技術総合研究機構(以下、農研機構)の協力のもと実証試験を行っていることを発表した。従来の海外製と比較して小型で、国内の牛舎にも対応予定。
人手不足が課題となっている酪農は、搾乳ロボットや自動給餌機といった機械化が進む一方、牛の餌を掃き寄せる作業など、手作業の工程も少なくない。牛が餌を食べやすいように押し戻す餌寄せロボットの開発により、酪農家の作業効率化、コスト削減に貢献する。
現在、海外製の餌寄せロボットは存在するが、大型であるため、中小規模の牛舎を所有する国内の酪農家では使用が難しい場合がある。そのため、同社は牛舎の環境に合わせた小型の餌寄せロボットの開発を進めている(試作機で機械幅830mm程度)。
餌寄せロボットを導入することで、酪農家の作業負担を大幅に軽減することができる。手作業での餌寄せにかかる時間は、牛1頭あたり年間3時間とされており、例えば、60頭の牛を飼育している場合、年間で最大180時間の作業時間の削減が可能になる(※1)。
※1 出典:畜産・酪農収益力強化総合対策基金事業実施要領 別紙8「ICT化等機械装置等導入事業」
農研機構担当者のコメント
小型餌寄せロボットは、日本における舎内作業の自動化を加速させる可能性を秘めています。ロボットに求めるのは、価格と堅牢性(耐久性)です。まず酪農家が投資しやすい価格設定が重要で、さらには暑さや湿気、ホコリなどがある環境下で、ロボットが安定して稼働し続けるための高い耐久性が求められます。これらの課題をクリアした餌寄せロボットが開発できれば、日本の酪農の生産性向上に貢献できると期待しています。
