2025年8月21日、竹中工務店は、シンガポールのスタートアップであるH3 Zoomと共同で、AIを活用した建物検査における問題箇所の自動抽出およびレポートの作成システム「Façade Inspector」(外壁点検用)、「Interior Inspector」(屋内点検用)の提供を発表した。

 シンガポールでの建物問題個所の検知実績を持つ両システムに対して、ユーザーインターフェースの日本語対応化、日本語での検査レポート作成機能、そして竹中工務店の経験値を取り入れた日本国内向け検査項目の追加などを行っている。

 同技術は、建物の検査対象箇所を画像または動画で撮影し、AI解析による問題箇所の自動抽出およびレポート作成を行う。手動による撮影だけでなくドローン等を用いた自動撮影にも対応し、さび、汚れ、ひび割れなど幅広い項目を検知する。シンガポールを中心に海外で5,000件以上の建物での検知実績を持つ。従来は英語のみだったが、今回の開発により日本語での対応が可能になった。また、日本の基準で必要とされる問題箇所の検知に関しても、自動抽出・レポート作成ができるよう開発した。

写真:建物付近を飛行するドローン、建物内を走行するロボット、カメラを装着したヘルメットを被る人
さまざまな撮影ツール

 今後、対応可能な検査項目を増やし、検査対応工数の削減を図るほか、AIの学習効率を上げることで、建物検査、メンテナンス全体の生産性向上を目指す。

 なお、Façade Inspector、Interior Inspectorの日本での窓口は、ジザイエが担当する。同社は、ドローンなどのカメラ映像を高速かつ高画質で圧縮・伝送・保存する独自技術を有しており、H3 Zoomの高度なAI点検ソリューションと組み合わせることで、日本のインフラ点検現場に適したかたちで導入が可能。映像伝送から解析、現場実装までを一貫して支援する体制を整えている。

写真:自動生成されたマップに表示された点検箇所
撮影動画から点検箇所の自動MAP生成
写真:建物の点検部位を認識する様子
点検部位を自動チェック
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