2025年9月4日、戸田建設と宮川工業は、鋼桁フランジの断面変化にも対応して走行可能なエアー式自走面取り機「Air Robot R」を共同開発し、現場実証を実施したことを発表した。
鋼桁フランジの精度の高いR面取り（角部を丸く加工すること）が可能であり、同ロボットにより品質向上と作業時間短縮、省人化への貢献を実証した。
床版取替工事では、旧床版撤去後に鋼桁の塗替塗装を行う。その際、塗膜厚が一定になるよう、新たな床版設置前に鋼桁フランジの角部のR面取り作業を行う必要がある。従来は複数の作業員がディスクグラインダー等を用いて作業を行っており、切創リスクの低減や効率化・省人化が課題となっていた。
そこで、新設橋梁や造船の工場製作時に使われているコンプレッサーを動力としたエアー式自走面取り機に着目して、桁幅の変化や桁の厚みの変化に対応できるよう機械を改良し、開発を進めてきた。
【導入効果】
- R面取り作業の自動化
- 作業員1人で設置・操作が可能
- 作業員の切創リスクの低減
- R面取り出来栄え向上による塗装の品質向上
- 桁幅の変化に対応し走行可能
- ストッパーにより自動停止可能
- 底面の磁石で脱落せずに走行可能
現場実証
実証では、東日本高速道路北海道支社発注の「道央自動車道千歳川大橋（下り線）床版取替工事」において、桁幅と桁厚の変化部を含む箇所を対象として、同一の施工延長に対し、従来のディスクグラインダーを用いた作業によるR面取りとAir Robot RによるR面取りを行い、出来栄えと作業時間を比較した。
その結果、Air Robot RによるR面取りは従来のディスクグラインダーによるR面取りと比べ、滑らかに曲面加工ができていること、従来工法でのR面取り速度が毎分約0.8mであったのに対しAir Robot Rは毎分1.2mと、実績比（戸田建設）で面取り速度が従来工法の1.5倍となることを確認した。また、作業員1人のみによるR面取り作業が可能であることも併せて確認した。
