2025年7月23日、Liberaware(リベラウェア)は、ONE・AQITA(ワン・アキタ)と、狭小空間点検ドローン「IBIS2」を活用した「全国特別重点調査」を秋田市内の下水道管で実施した。

写真:海の上を飛行するドローン、操縦者
下水道管に「IBIS2」を進入させる様子

 2025年1月、埼玉県八潮市で下水道管路の破損に起因すると考えられる道路陥没事故が発生。これ受けて、国土交通省が7都府県13か所の流域下水道管理者に緊急点検を要請するなど、老朽化した下水道管に関する点検体制の構築が急務となっている。

 秋田県は、2025年3月に男鹿市脇本樽沢地内で発生した工事事故を受け、「秋田県下水道管路補修工事での事故を踏まえた安全対策検討委員会」を設置。委員会では、人の立ち入りが困難なエリアの点検方法の確立が課題として挙がっている。

 今回の調査では、点検が困難な下水道管の状態を確認するとともに、空中ドローンによる点検手法がこうした課題に有効かどうかを検証する。

【各者役割】

秋田市下水道管点検における課題面の提示
ONE・AQITA点検プロセスの構築、現場対応、調査提案
Liberawareドローンの開発・製造・現場支援・ドローンオペレーター援助

調査について

 今回の調査は、秋田市内の下水道管のうち、敷設後約50年が経過した開口部約2.7m×1.8mの下水道管(約50m)と、開口部約2.7m×2.7mの秋田県流域流下水道管渠(約400m)を対象に実施した。

 管内水位が1m弱の人が進入できない流域の管内上部における腐食状況やひび割れの有無を中心に、ドローンからの動画をもとに下水道管の健全度を確認した。

 流域流下水道管渠の調査では、海岸のボックスカルバートからIBIS2を進入させて内部調査を進め、全体のうち約300mを1度の飛行で調査した。

 目視で確認する従来の方法は、足場の設置等に時間と費用を要し、危険も伴っていた。ドローンを活用することで、効率的かつ安全に下水道管を調査することが可能であることを実証した。

写真:IBIS2で撮影した下水道管内、水面と天井の間の空間を飛行
IBIS2で撮影した下水道管内の様子
写真:かごにIBIS2入れてマンホールから下水道管に進入させる様子
下水道管にIBIS2を進入させる様子
写真:電波中継機を吊り下げてボックスカルバートに接近させる様子
ボックスカルバートに電波中継機を接近させる様子