2025年6月18日、パーソルビジネスプロセスデザインは、イームズロボティクスが代表者として採択された内閣府の「先端的サービスの開発・構築及び規制・制度改革に関する調査事業」に構成員として参加し、オンデマンド配送サービス実施に向けた調査・検証・分析を実施した。

 政府は、2024年6月に福島県と長崎県を「新技術実装連携“絆”特区」(※1)に指定し、利便性の高いドローン配送を全国に先駆けて実現するための取り組みを開始した。その一環となるこの事業では、イームズロボティクスとパーソルビジネスプロセスデザインがレベル4飛行(有人地帯での目視外飛行)でのオンデマンド配送の実現に向けた調査を実施した。

 ドローンの社会実装には、エリア内の複数拠点への複数ルートでの飛行(面的運航)が必要となる。同事業では、実現可能な環境、事業性と利便性の充実を図るためのサービスモデル設計、規制・制度の改革案検討のための調査・検証・分析を行った。

 ドローンを活用した地域横断物流モデルを確立し、福島特区から全国へ社会実装を進める方針だ。

※1 地理的に離れた複数の自治体が連携して共通の課題解決に取り組む国家戦略特区。(内閣府 https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/kizuna/kizuna.html

この取り組みで目指す地域横断物流モデルのイメージ図

事業の成果

ドローン物流の目指すべきサービスモデル検討/ニーズや社会受容性に関する調査結果

 事業者側には長期的に持続可能な収益性、住民側の利便性が高いことが明らかとなったため、規制改革の必要性を示唆するとともに、各業界(宅配・フードデリバリー・医薬品卸)のあるべきビジネスモデルを提示した。利便性向上に対するニーズは大きいものの、プライバシーや配送物の品質担保に対する懸念が大きいことを明らかにし、住民の抱える懸念を払拭できる基準を明確にすることで、社会的に受容されるサービスであることを確認した。また、実用化にあたっては、物流範囲の拡大、災害等で既存の物流が途絶した際に空路による物流の実現が望まれていることも分かった。

 これらの事業者側の持続可能性、受益者側のニーズや社会受容性を取りまとめることで、社会実装に向けた課題や基準を示した。

リスクアセスメントや安全対策に関する調査結果

 国道・鉄道・住宅の上空を飛行する際の安全性と社会受容性の両面から複合的な課題を明確にし、飛行経路直下の第三者リスク、騒音・プライバシー等の対策、道路・鉄道事業者との協議や通報手順の標準化など、多機関が連携する包括的な運用ルールの整備が必要であることを提示した。

▼内閣府 令和6(2024)年度「先端的サービスの開発・構築及び規制・制度改革に関する調査事業」の結果について
https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/supercity/supercity_240626_saitakukekka.html