アルフレッサとエアロネクスト、NEXT DELIVERYは、災害時の医薬品配送を見据え、静岡県川根本町において、「ドローンによる医薬品配送に関するガイドライン」に準拠し、フェーズフリー(※1)の考え方に基づいた、ドローンを活用した医療機関への医薬品定期配送を2025年4月22日に開始した。
※1 フェーズフリー:平時と有事(災害時)を区別せず、普段利用している商品やサービスを有事にも活用できるようにすること。
静岡県の中央部に位置する川根本町は、自然環境が豊かな一方、町の中心地から離れた地域が散在し、高齢化に伴い日常の買い物が困難になる住民の課題がある。また、有事の際に孤立する可能性のある地域も多く、災害などで道路が遮断され交通手段がない場合の物資輸送も課題となっている。
アルフレッサグループは、事業活動を通じて社会・環境問題の解決に取り組み、持続的な企業価値の向上を図っている。同グループは、サステナビリティ重要課題において「地域社会への貢献」を掲げ、社会インフラとして医薬品等の安定供給に努めている。
エアロネクストとNEXT DELIVERYは、2023年に災害時の孤立地域へのドローン配送を想定した実証実験を実施し、川根本町とエアロネクストは、過疎化等の地域課題の解決に向けて、ドローン配送実証事業を含む次世代高度技術の活用による新しい物流のビジネスモデルの構築を目的とした連携協定を締結した。地上輸送とドローン配送を連結した新たな物流インフラである新スマート物流SkyHubの構築、社会実装に向け、2024年5月にSkyHubの拠点となるドローンデポを地震災害時の避難所にも指定されている旧中川根南部小学校に開設し、買い物代行やフードデリバリー、共同配送等のサービスを開始している。
今回、ドローンを活用した新スマート物流実装事業を2024年度から2026年度までの3年間の計画で実施している川根本町において、アルフレッサとエアロネクスト、NEXT DELIVERYが協業し、アルフレッサの医薬品輸配送のノウハウ、エアロネクストの4D GRAVITY(※2)をコアテクノロジーとする次世代ドローン技術、NEXT DELIVERYのドローン配送の実績とノウハウを組み合わせ、地上輸送とドローン配送を連結した医薬品配送を行う仕組みを構築した。
平時からドローンによる医薬品配送が行われる社会を実現し、災害時などの有事にドローン配送を活用できるようにするため、ラストワンマイルの輸送手段として、フェーズフリーの考え方に基づいたドローン配送を活用した医療機関への定期配送を2025年4月22日に開始した。これにより、災害時も医療提供活動を支援するとともに、孤立などの課題解決を目指すとしている。
※2 4D GRAVITY:エアロネクストが開発したドローン機体の重心を最適化する機体構造設計技術。
ドローンによる医薬品配送
ドローン飛行は、航空法で分類されている「レベル3.5飛行(※3)」で実施し、また、温度管理や施錠管理等の規制を定めた「ドローンによる医薬品配送に関するガイドライン」に準拠した方法で定期配送を実現した。
アルフレッサ静岡物流センターからNEXT DELIVERY配送拠点(旧中川根南部小学校のSkyHubドローンデポ川根本町)まで、陸路で必要な医薬品を輸送。配送拠点より遠方エリアをドローンもしくは車両により配送する。まずは1か所の医療機関から実装を開始し、今後、川根本町内の医療機関へ拡充していく予定だ。
※3 レベル3.5飛行:レベル3飛行で必要となっていた立入管理措置に関し、デジタル技術の活用(機上カメラ)、無人航空機操縦者技能証明の保有、保険への加入を条件として、それらの立入管理措置を撤廃し、道路や鉄道等の横断を容易化した飛行方法。
