2024年12月18日、センシンロボティクスは、LiDARで取得した情報を活用してロボットを自律制御するシステム「ELAS -Edge LiDAR Autonomos Systems-」を用いたロボティクスR&D支援サービスの提供を開始したことを発表した。

点群データ、トンネル坑内をドローンが飛行する様子
ELASの活用イメージ(非GNSS環境下のトンネルで周囲の点群データを取得しながら飛行)※点群は模擬作成

 点検・巡視等の産業用途においてドローンなどのロボティクス活用が増加しているが、従来の技術では現場での活用が難しいケースもある。同社はELASを用いたR&D支援プロジェクトの実績を生かし、さらなる研究開発ニーズに応えるため、同サービスの提供を開始する。

 ELASは、LiDARやカメラを搭載した自己位置推定や自律制御、対象物の認識が可能なモジュールを活用することで、GNSS環境・非GNSS環境の両方に対応する。GNSS信号が届かないトンネル坑内や、GNSS受信状況が安定しない高層ビル周辺でのドローンによる安全な自律飛行を実現する。

 オープンソースのロボットプラットフォームをもとに開発しているため、ドローン以外にも陸上走行車両(UGV)やロボットなど、さまざまなデバイスへの搭載が可能だ。

「ELAS」の主な機能

  • GNSSが届かない屋内空間での自己位置認識
  • 周囲の物体を検出・認識
  • 周囲の点群データ取得
  • 屋内でのロボットの位置を把握、適切な経路設計
  • 障害物の認識、回避
  • マップなどと連動した移動

R&D支援サービスの内容

【勉強会/調査/ワークショップの実施】
 企業のニーズに応じた勉強会を実施し、ロボティクス技術に関する知識やノウハウを提供する。また、ビジネス・技術調査、ワークショップを通じて、研究開発のテーマ策定をサポートする。

【プロトタイプ作成、実証実験】
 ELASのプラットフォームを活用し、試作品の開発やテストを行う環境を提供する。ELASを用いた実証実験にも対応しており、開発中の技術が現場でどのように機能するかを迅速に評価し、実用化に向けた課題を明確にする。

【実用化へ向けた支援】
 開発したプロトタイプの実用化を見据えたロードマップの策定を支援し、継続的にサポート。現場でのデータ解析や評価結果をもとに、技術的課題を段階的に解決するためのスケジュールやリソース配分を提案する。

R&D支援サービス提供の流れ(勉強会・講習会の実施→ビジネス・技術調査→ワークショップ→プロトタイプ作成→実現化構想作成支援)
R&D支援サービス提供の流れ