三菱電機ビルソリューションズは、スマートシティ・ビルIoTプラットフォーム「Ville-feuille(ヴィルフィーユ)」(※1)を活用した「ロボット移動支援サービス」の新機能として、ビル内でサービスロボットを安全かつ円滑に運行するための「ロボット管制」と、複数種類・複数台のロボットを一元的に監視する「ロボット統合監視」を開発し、2024年12月20日に提供を開始する。

※1 ビル内設備の稼働データやセンシングデータなどを収集・蓄積し、AIやビッグデータ解析などの先端技術を活用してデータ処理を行うIoTプラットフォーム。

ロボット管制、ロボット統合監視、エレベーター連携、入退室管理システム連携
ロボット移動支援サービスイメージ

 少子高齢化に伴う労働力不足を受け、ビル内の搬送、警備、清掃等の業務におけるロボットの活用が進んでいる。一方で、ビル内で複数種類・複数台のロボットを同時に運用するには以下のような課題がある。

  • 各々自律的に移動するロボット同士の衝突による稼働率低下やロボットの損傷、狭い通路や交差通路における対面での膠着による稼働効率の低下
  • 監視対象のロボット種別や台数の増加による、管理者の監視業務の煩雑化や負荷の増加

 今回開発したロボット管制機能により、ビル内でのロボット同士の衝突や、対面での膠着等の事故の回避が可能になる。ロボット統合監視機能では、ビル管理者がPCやタブレット端末から複数のロボットの位置や稼働状況、異常等をグラフィック画面上で一元的に監視でき、ロボットの管理業務の効率化や省力化に貢献する。

【ロボット管制:ロボット同士の衝突や対面での膠着等の事故を回避】

 建物内で搬送、警備、清掃等の複数のロボットが稼働する際、狭い通路や交差通路ではロボット同士の衝突や、センサーで互いを検知することで障害物と判定し、対面で膠着するといった課題がある。ロボット管制では、複数のロボットが通行する可能性のある箇所を調停エリアとして設定することで、そのエリアへのロボットの進入可否を判断し、通行または待機の指示を行う。各ロボットに対して通行の優先度も設定でき、複数種類・複数台のロボットを安全かつスムーズに運行することで稼働効率向上に寄与する。

ロボット管制の概要図
ロボット管制イメージ

【ロボット統合監視:ロボット管理業務の効率化・省力化】

 ロボット統合監視では、ビル管理者はロボットやフロアの情報をPCやタブレット端末のグラフィック画面で直感的、一元的に確認・監視できる。グラフィック画面ではビル内で稼働するロボットの位置、稼働状況、異常等を視覚化して表示しており、ロボットの種別や台数が増加することで煩雑化する監視業務の負荷を低減、ロボット管理業務の効率化および省力化を図る。

ロボット統合監視画面
ロボット統合監視イメージ

ロボット移動支援サービス

 ロボットとエレベーターをVille-feuille上で接続することにより、ロボットがエレベーターを使用してビル内のフロアの「縦移動」と入退出管理ゲートを通過できる「横移動」を実現する。

【エレベーター連携機能】

 ロボットからのリクエストに応じてエレベーターの呼び出しや行き先階登録を行う。ロボットに対しては、配車号機や戸開閉情報の通知、エレベーターの乗降タイミング等を指示することで、ロボットのエレベーターを利用した上下階移動を実現する。

【入退室管理システム連携機能】

 ロボットがセキュリティーゲートや自動ドアを通過する際に、入退室管理システムにロボットのIDを渡して通行権限を認証させ、ゲートの開放や扉の解錠、ロボットへの通行タイミングなどの指示を行うことで、ロボットのセキュリティーエリアをまたいだ自律移動を実現する。

▼ロボット移動支援サービス
https://www.meltec.co.jp/smartbuilding/services/robot-assistant/