テラ・ラボは、2024年12月13日、県営名古屋空港旅客ターミナルビル3階フロアにおいて「テラ・ラボ 災害対策オペレーションセンター」を公開し、運用に向けてこれまでの実証実験の取り組み等の事業説明を行った。

 同社が開発を進める固定翼型無人航空機「テラ・ドルフィン」により、広域、高速、高精度に情報収集を行い、南海トラフ地震の被災が想定される市町村の危機対策部門や消防等組織へダイレクトにプッシュ型で情報提供が行えるよう体制を整える。

写真:「テラ・ラボ 災害対策オペレーションセンター」危機対策室
「テラ・ラボ 災害対策オペレーションセンター」危機対策室。平時から研修や訓練を通じて、災害時に実効性のあるオペレーションを目指す
写真:「テラ・ラボ 災害対策オペレーションセンター」情報解析室
「テラ・ラボ 災害対策オペレーションセンター」情報解析室。航空機等による情報の三次元解析を行い、広域災害の初動期の現況図を迅速に共有する
写真:展示される「テラ・ドルフィン」
開発中の長距離無人航空機「テラ・ドルフィン」による広域災害対策情報支援システム(飛行試験を実施している実機を展示)

 南海トラフ地震は30年以内に80%以上の確率で起きると言われている。名古屋空港北西部(豊山町青山地区)では、南海トラフ地震等の大規模災害時に、全国からの応援人員や物資等を円滑に受け入れ、被災現場や地域の防災拠点に迅速かつ的確に供給する「愛知県基幹的広域防災拠点」の整備の計画を進めている。

南海トラフ地震の震度分布図
南海トラフ地震 強震動生成域が陸側寄りの場合の震度分布図(出所:気象庁)

 テラ・ラボは、2023年4月にあいちモビリティイノベーションプロジェクト「空と道がつながる愛知モデル2030」に参画。2024年4月、愛知県が内閣府デジタル田園都市国家構想交付金(地方創生推進タイプ)に採択され、テラ・ラボは、2024年度 空と道がつながる愛知モデル2030 災害対策ドローン社会実装推進業務を受託した。

 持続可能な運⽤を⽬指し、有事だけでなく平時におけるビジネスモデルの検討を⾏うとともに、災害時にドローンを活用するスキーム「愛知県版ドローン災害対応モデル」の作成を行っている。

写真:飛行する航空機
テララボが保有する計測装置を搭載した検証用有人航空機「HK36 Super Dimona」(Diamond Aircraft Industries社)

 また、テラ・ラボは、リバネス、山田商会ホールディングをはじめとした、中小企業や個人投資家からのシリーズB資金調達の実施、「リバネス・レジリエンス・プロジェクト」東海支部の設置に向けた連携を発表した。

 同プロジェクトでは、平時と有事の両観点から広範囲・高精度の三次元データを活用し、有事の際にも速やかに機能する持続可能な事業を創出する。