プロドローンは、物流ドローンを活用した約1か月間の本土離島間物流の実証実験を2024年10月7日に開始した。同実証は、愛知県が進める「あいちモビリティイノベーションプロジェクト『空と道がつながる愛知モデル2030』」物流ドローン社会実装モデル推進事業(受託者:名古屋鉄道)の一環となる。

写真:飛行するドローン
日用品や食料品を運ぶ「PD6B-Type3」

 愛知県では「革新事業創造戦略」に基づく官民連携プロジェクトの第1号として、「あいちモビリティイノベーションプロジェクト『空と道がつながる愛知モデル2030』」を2023年5月に立ち上げた。同プロジェクトでは、ドローンや空飛ぶクルマ等の社会実装の早期化を図るとともに、自動運転車等との同時制御により創出される新しいモビリティ社会「愛知モデル」の実現を目指している。

 今回の実験では、ドローンによる本土(西尾市一色漁港)と離島(佐久島)間の多頻度配送を実証し、レベル3.5飛行を1か月間実施する。名古屋大学で自動運転の研究を行う森川氏を含むアドバイザリーボードメンバーの協力を得て、技術面と事業面の検証を通じて新たな物流ビジネスモデルの構築を目指す。

実証実験の内容

 ドローンを活用し、日用品や食料品の輸送を実施する。2024年10月7日から11月5日の1か月程度、朝の8時から日没までの間、愛知県西尾市一色漁港から佐久島までのおよそ8kmの距離を2往復する。

 期間の途中で自動運転EV車「グリーンスローモビリティ」の活用も検討し、今後の事業化に向けた課題の確認と技術面の検証を行う。

写真:ドローンを前に、横並びに整列する人々。箱を手に持ち中身を見せる大村知事。
キックオフセレモニーで箱の中身(大あさり)を見せる愛知県大村知事(中央)
GCSの画面。飛行経路とドローンの現在地が表示されている。
プロドローン製GCS(グラウンド・コントロール・ステーション)の画面
写真:海上を飛行するドローンからの映像。
ドローンからの映像

プロドローン 戸谷氏のコメント

 プロドローンは愛知県を拠点に、平時や災害時、防衛、国際貢献に対応した産業用ドローンを開発・製造しています。今回の実証実験では、最大20kgの荷物を輸送できる大型ドローン「PD6B-Type3」を使用し、衝突回避装置や360度モニタリング機能を搭載して安全な飛行を実現しています。特に重要なのは、愛知県一色漁港と佐久島を結ぶ航路のドローン社会実装プロジェクトで、1か月間連続でレベル3.5の運航を行います。PRODRONE製GCSにより、複数のドローンの飛行管理が可能になり、安全な航路を構築しています。新たな技術が地域の物流手段として活用されることを期待しています。