2024年9月25日、ウェザーニューズは、お天気アプリ「ウェザーニュース」で高度別の詳しい気象予測が確認できる「空の天気Ch.」をバージョンアップし、新たに視程・雲底予測の情報を追加したことを発表した。

 ドローンの運航可否に重要な視程の1時間ごとの予測をマップ上で確認できるほか、ドローンポートや空港など任意の地点について、1時間ごとの視程と雲底の予測を時系列で詳細に表示する。

 飛行に影響する情報をアプリで一元的に把握することで、より安全で素早い判断ができるようになり、運航管理者とパイロットとの意思疎通に貢献する。

バージョンアップの詳細「視程・雲底予測」

 視程情報は、ルート周辺の障害物をカメラで確認しながら飛行するドローン運航において重要な情報となる。今回追加した視程予測情報は、上空の気温や空気中の水分量などのデータからウェザーニューズが独自に予測するもので、1時間ごとの予測を4ランク(0.1km未満、0.1km以上1km未満、1km以上5km未満、5km以上)に分けてマップ上に表示する。視程が低い(見通しが悪い)可能性のあるエリアがひと目でわかり、マップを拡大することでより詳しく確認することができる。

 ドローンポートや空港などピンポイントの地点では、24時間先まで1時間ごとの視程と雲底の予測を、時系列でより詳細に提供する。これからのシーズン、盆地など地形の入り組んだ場所では、上空が晴れていても放射冷却により地面付近の気温が下がり、大規模な霧が発生することがある。前日や当日早朝などにアプリを確認することで、飛行予定時間の視程の予測から安全に飛行できる時間帯や最適なルートを判断することが可能となる。

画像:スマートフォンの画面に表示された空の天気Ch.「視程」(マップ)。
画像:スマートフォンの画面に表示された空の天気Ch.「雲底・視程」「ピンポイント天気」。
左:マップ上で視程のランクを確認、右:ピンポイント視程・雲底予測

ウェザーニュースアプリ「空の天気Ch.」

 ウェザーニュースアプリである空の天気Ch.では、日本全国の上空の高解像度な気象予測を提供している。ドローン運航で重要となる上空100m付近を含む5つの高度(上空100m付近、1,500m付近、3,000m付近、5,700m付近、9,600m付近)の風向・風速と気温、雲量の予測をマップ上で確認可能。低空域のより詳細なピンポイント予報も提供している(有料会員向け)。ドローンポートや空港など任意の地点で検索すると、その地点の上空150mまでを7段階(0m、20m、50m、70m、100m、120m、150m)に分けた高度別の風向・風速と気温の予報を10分ごとに表示する。風速に基づいたドローンの運航可否を「影響なし」「注意」「飛行不可」の3段階、気温低下によるバッテリーへの影響を「影響なし」「注意」「警戒」の3段階で判定して表示しており、ドローンが安全に運航できるかをひと目で把握できる。地上付近の1時間ごとの天気や週間天気予報も提供しており、飛行予定日の検討や運航可否の判断、飛行高度やルートの見直しに活用可能だ。

画像:スマートフォンの画面に表示された空の天気Ch.「風」(マップ)。
画像:スマートフォンの画面に表示された空の天気Ch.「上空の風」。
左:風向・風速を流線で予測、右:高度別ピンポイント予報(風向・風速)

法人向け気象情報サービス「ウェザーニュース for business」

 同社は法人向け気象情報サービス「ウェザーニュース for business」でも、ドローン向けのプランを展開している。アプリ上の専用画面でドローンの運航可否判断に特化した気象情報を確認できるほか、同サービスの限定機能として、対象地点の風や雨などの気象リスクをプッシュ通知で受け取ることが可能。また、高性能気象IoTセンサー「ソラテナPro」を設置することで、アプリ画面からドローンポート周辺の観測データをリアルタイムに確認することができる。

左:屋外に設置されたソラテナProの外観、右:スマートフォンの画面に表示されたソラテナProが取得したデータ。
左:高性能気象IoTセンサー「ソラテナPro」、右:ソラテナProアプリ画面