愛知県は、西尾市においてドローンのレベル3.5飛行による物流サービスの長期事業化調査を実施する。
同県は、2023年5月にあいちモビリティイノベーションプロジェクト「空と道がつながる愛知モデル2030」を立ち上げ、ドローンや空飛ぶクルマ等の次世代「空」モビリティの社会実装の早期化を図るとともに、自動運転車等の「陸」モビリティとの同時制御により創出される新しいモビリティ社会「愛知モデル」の構築や、次世代「空」モビリティの基幹産業化を目指している。
2024年2月に策定した「推進プラン」で掲げる物流ドローンの社会実装初期のビジネスモデルとなる「ローンチモデル」の実現に向け、2024年度は西尾市および新城市において、物流ドローンを活用した配送サービスをレベル3.5飛行(※1)により約1か月間提供することで、実際の社会実装を想定した課題の抽出・分析を行う予定で、今回、西尾市での調査の詳細を決定した。
※1 無人地帯における目視外飛行(レベル3飛行)で必要となる立入管理措置(監視員の配置や看板の配置等)に関して、操縦ライセンスの保有、保険への加入、機上カメラによる歩行者等の有無の確認を条件として、立入監視措置を不要とする飛行形態のこと。
実証実験の概要・検証内容
実施期間は、土日祝日を除いた2024年10月7日から11月5日まで。本土離島間でドローンのレベル3.5飛行による配送を1日複数回実施する。
推進プランでは、物流分野における2026年度頃を目途としたローンチモデルとして、河川流域や本土離島間を航路とした物流サービスの実現を掲げている。社会実装に向けて、収益性や運航体制といった実際のビジネスシーンで発生する事象を視野に検証を行うため、物流ドローンを活用した配送サービスを約1か月間提供する。これにより社会実装に向けた課題を整理し、マネタイズできる事例を創出する。
西尾市における実証実験では、本土離島間の海上を航路として、ドローンの定期配送やオンデマンド配送による多頻度配送および往復配送による運用効率の向上を図るビジネスモデルを想定。本土から離島へは欠品等の影響が大きい医薬品や日用品等を配送し、離島から本土へは特産品等を配送する。
検証項目
・ 着陸地点に設置するカメラやセンサーによる周辺映像、環境情報を用いた離着陸オペレーション技術、当該離着陸オペレーションを遠隔で行うことによる省人化を検証する。
・ 定期配送やオンデマンド配送、往復輸送等の配送方法の組み合わせにより、利便性・採算性を検証する。
・ タブレットによるシンプルな機体操縦とすることで、操縦機体の専門的な知識や技術を有しないパイロットでの運航ができるか、また、それによる運用コストを検証する。
事業実施体制
名古屋鉄道に事業委託し、同社を幹事会社とする企業グループで事業を実施する。
企業・団体名 | 役割 |
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名古屋鉄道 | 事業総括、関係者調整、運航等 |
プロドローン | 機体提供・運航 |
中北薬品 | 医薬品配送の物資協力 |
西三河農業協同組合 | 日用品配送の物資協力 |
西尾市 | 実証実験協力 |