2024年9月13日、住宅デバイス共創機構設立準備室は、住宅デバイス「自動配送ロボットポート」の事前準備のための施工基準となるプレガイドラインの策定を開始したことを発表した。

自動配送ロボットが後ろ向きにポートに接続する様子
自動配送ロボットがポートに到着した様子(イメージ)

 住宅デバイスが商品化されるまでの間にも新しい住宅は建設され、完成後の住宅に対して住宅デバイスを対応させるには、コストや改築が必要となる。施工仕様のうち、現時点において重要と考えられる施工の基準をプレガイドラインとしてとりまとめ事前準備を行うことで、最小限のコストによるスムーズな実装を目指す。

【自動配送ロボットポートプレガイドラインの概要】
ポートと接する外壁を耐力壁としない
走路予定地の勾配設計(最大勾配ピッチ8%・ロール4%以下)
走路予定地の整備設計(門柱や極端な段差などの障害排除)

図版:1:デリバリーロボットからポートへ自動受け渡し、2:外部エレベーターから床下エレベーターへ移動、3:床下エレベーターにより荷物運搬ロボットへ移動、4:荷物運搬ロボットが指定された場所に荷物を収納、5:ユーザーによる荷物の出し入れ
デリバリーロボットが配達した荷物がユーザーに渡るまでの流れ

【自動配送ロボットポート】

 自動配送ロボットによる宅配に対応する荷物受け取りポート。デリバリーロボットが普及するまでは、配達員が届けた荷物を受け取って収納する宅配ボックスとして機能する。

荷物の最大サイズW400mm×D450mm×H350mm
荷物の最大重量25kg
想定される収納可能荷物2Lペットボトル6本入りの箱×2個
ロボット床下収納最大W450mm×D450mm×H470mmまで対応

 荷物を室内に引き込むための開口部を壁に設けるが、筋交(すじかい)などの構造材が入った耐力壁は設置が困難である。耐力壁でなければ開口部設置工事が容易であるほか、開口部を設けたことによる建物の強度への影響が少なくなる。

 荷物を届ける配送ロボットは、公道に対応した走破性を備えることが想定される。公道から自動配送ロボットポートまでの道のりは、公道の勾配・段差より厳しくならないようにすることで、配送ロボットのスタックを防ぐ。

 ポートやエレベーター、開口部となるサッシなど、自動配送ロボットポートに用いる機械や部材は、すでに生産・利用されている機械に近いものであり、住宅デバイスの商品化や実装は遠くないと考えられる。

 住宅デバイス共創機構は、住宅側が機械の受け入れ準備を行うことで、住民が便利なサービスを円滑かつ安価に実装できることを目指す。

 住宅側は、基礎や開口部など、住宅標準仕様にかかわる部分は、建築が終わったあとに変更できない場合や、変更できても費用が大きくなる場合があるため、事前に準備をしておくことで住宅デバイスの実装が可能となる。準備方法を誤り実装できないような事故を減らし、多くの住宅が速やかに住宅デバイスを実装できるようガイドラインを策定し、住宅デバイス共創機構がその確認と認定を行っていく。