京セラコミュニケーションシステム(以下、KCCS)とヤマト運輸、Packcity Japanは、車道を走行する中速・中型無人自動配送ロボットにオープン型宅配便ロッカー「PUDO(プドー)ステーション」を搭載した移動型宅配サービスの実証実験を、北海道石狩市緑苑台東地区の一部エリアで2024年9月11日から開始する。

 同実証実験は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募し、2022年6月にKCCSが採択された「革新的ロボット研究開発基盤構築事業/自動配送ロボットによる配送サービスの実現」の取り組みの一環として実施するもの。

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 物流のラストワンマイル配送では、多頻度小口配送やドライバー不足などの課題解決策として、積載量や配達効率の向上が見込まれる「中速・中型」自動配送ロボットを活用した配送サービスの社会実装が期待されている。

 KCCSは、中速・中型無人自動配送ロボットを活用し、地方自治体や企業と協力して技術開発・サービスの提案、検証を進めている。

 ヤマト運輸は、2022年からKCCSと共同で中速・中型無人自動配送ロボットによる個人向け配送サービスの実証実験を行っており、地域物流支援サービスの実用化に向けた検証を進めている。

 Packcity Japanは、オープン型宅配便ロッカーのPUDOステーションを運営している。同社が契約している宅配会社が利用できるオープン型の宅配便ロッカーで、パスワードを入れるだけで荷物の発送・受け取りができる。

 3社は、実証実験を通して人手不足の解決やライフスタイルの変化、非対面受け取りの需要拡大など、多様化する荷物の受け取りニーズに対応した新しい移動型宅配サービスを検証し、効率的な配送サービスの可能性を追求するとしている。

実証実験の概要

 2024年9月11日~10月下旬(予定)の期間、北海道石狩市緑苑台東地区の住民を対象に、無人自動配送ロボットにPUDOステーションを搭載した移動型宅配サービスの検証を行う。運行時間は9:00~21:00。走行ルートの関係上、自宅から徒歩1分圏内の宅配ポイントに停車する予定。

 走行中は遠隔から監視者がモニタリングし、状況に応じて無人自動配送ロボットを遠隔操縦する。

 対象となる荷物は、対象地域のクロネコメンバーズ(ヤマト運輸の個人向け会員サービス)会員への宅急便。クール宅急便、着払い、代金引換、120サイズ以上の荷物は対象外。

地図:走行エリアの範囲
走行予定エリア(北海道石狩市緑苑台東地区の一部エリアの車道)

【各社の役割】

KCCS実証実験に関する企画・管理・調整
無人自動配送ロボットの開発・運行管理
ヤマト運輸無人自動配送ロボットを活用した移動型配送サービスの実施
Packcity JapanPUDOステーションの開発・運用


【サービスフロー】

荷物を受け取るまでの手順を説明した図。

 今後3社は、地域特性に適した無人自動配送ロボットの社会実装に向け、新たな配送サービスの実現を目指す。また、無人自動配送ロボットを活用した地域物流支援サービスの実用化に向けた実証実験を継続し、地域協調を基本とした持続可能な未来のまちづくりに貢献するとしている。