2024年6月4日、岩谷技研は、2024年6月2日に北海道十勝地方において自社開発キャビンとガス気球のフリーフライト有人飛行試験を行い、最大高度10,555mの成層圏に到達したことを発表した。

与圧キャビンの遥か下に地上の景色が広がる画像
最高高度10,555m到達時の窓外風景

 岩谷技研は2022年2月に福島で係留飛行試験を実施して以降、徐々に高度を上げながら毎月のように北海道内を中心に飛行試験を重ねてきた。今回は2024年夏に開始予定の商業運航で使用する機体と同型の2名乗り与圧キャビンを使用し、最高高度10,555mの成層圏到達に成功した。

実験概要

 実験目的は、成層圏の低圧環境における今夏開始予定の商業運航で使用するものと同型の与圧キャビンおよび生命維持装置の運用試験。また、自社気球が高度1万m以上への到達が可能なことを実証すること。

離陸地点北海道新得町
離陸時刻午前3時49分
着陸地点北海道士幌町
着陸時刻午前5時48分
飛行距離28.6km
飛行時間119分
到達高度10,555m
パイロット研究開発部 実験課 運航チーム チームリーダー 宮嶋香和
山並みの景色を背景に空に浮かぶ与圧キャビン
夜明けとともに離陸した岩谷技研製キャビン「T-10 EARTHER」
高度10,555m付近で航路を確認するパイロット