2024年5月29日、SkydioとCalTaは、Skydio製ドローンで取得した映像データを活用し、CalTaのデジタルツインソフトウェア「TRANCITY(トランシティ)」上で3D・点群データを最適に生成できるよう技術連携を開始したことを発表した。

 連携対象は「Skydio 2+」「Skydio X10」で取得したデータで、2024年7月からの提供を予定している。AIによる自律飛行技術を備えたSkydio製ドローンとTRANCITYが連携することで、より高精度なデジタルツインの構築が可能になるとしている。

 インフラなどさまざまな業界では、デジタルツインによる現地の状況把握や施工の進捗管理などの業務効率化が期待されているが、安定的なデータの収集が課題である。従来のドローン技術では、高架下などの非GNSS環境下における飛行や近接撮影が難しく、撮影データの取得方法は限られていた。

 AIを活用した自律飛行技術を搭載するSkydioのドローンは、非GNSS環境でも特定のラップ率(※1) を確保し映像品質を担保したうえで、障害物を回避しながら自律的かつ安定的に飛行することが可能。そのデータをTRANCITY上でデータ連携することで、より高精度なデジタルツインを構築することができる。

 ドローンで撮影した映像データにはそれぞれの機種特有の性質があるため、高精度なデジタルツインを構築するには機種の特性に合わせたデータの処理が必要となる。そのため両社は機能検証を実施し、Skydio機で取得した高品質な映像データからTRANCITYで最適な3D・点群データを生成することを可能にした。

※1 ラップ率:写真測量における撮影された画像やデータの隣接するエリアがどれだけ重なっているかを示す割合。

検証内容

1. Skydio製ドローン「Skydio 2+」「Skydio X10」のカメラ検証

 Skydio2+、SkydioX10のカメラで撮影した映像データから、カメラレンズのゆがみや画角などをはじめとする映像特性を解析。

Skydio 2+
Skydio X10

2. Skydio製ドローンの映像データを使用したTRANCITYの3D化・点群処理の最適化

 検証1で解析した映像特性を踏まえ、TRANCITYのSfM(※2) アルゴリズムを調整し、Skydio製ドローンで撮影した映像データを最も高品質に3D化・点群処理できるようプログラムを最適化した。

※2 SfM:Structure from Motion。映像から特徴点を抽出し、対象物の仮想空間における位置座標を算出する技術。

データ連携イメージ