2024年5月15日、Japan Innovation Challenge(以下、JIC)は、夜間の山岳遭難捜索を目的として開発した、山の対地高度に沿ってドローンを自律飛行させる「自動航行ルート作成ソフトウェア」や、ドローンで撮影した赤外線動画から人と思われる熱源を解析する「赤外線動画解析ソフトウェア」の無償提供を開始した。

 JICは、これまで夜間捜索の利用目的に限り無償提供を行っていたが、ドローンを使った点検や撮影など、他の目的で使用する個人や団体に対しても提供を開始する。

使用イメージ

 ドローンによる夜間の捜索支援サービスを提供するJICは、同法人が使用している自動航行ルート作成ソフトウェアや赤外線動画解析ソフトウェアを、2023年8月、人命救助を目的に無償公開。各自治体や消防関連団体が利用してきた。今回、ドローンの安全な運用と発展を考え、目的を限定せずにソフトウェアを無償提供することを決定した。

ドローンの自動航行ルート作成ソフトウェア

 地図ソフトのQGISをベースに、メーカー標準のソフトウェアでは作成が困難な、地形に追従する飛行ルートを簡単に作成可能。離着陸まで自動で行うこともでき、山間部など高低差のあるエリアや夜間、目視外の飛行において安全なドローン飛行が実施できる。

スタンプ方式で飛行したいエリアをクリックするだけで自動飛行ルートを作成。
対地高度が指定でき、地表に沿ったルートが自動生成されるため、障害物にぶつからずに指定エリア内を隅々まで飛行。
国土地理院の地図データをベースにするため事前準備が不要。ルート作成は約5分。
事前に地図データをダウンロードしておくことで、山の中など電波が届かずインターネットに接続できない環境でもルートの作成が可能。

飛行ルート作成
飛行軌道

夜間 赤外線動画解析ソフトウェア

 ドローンで撮影した赤外線動画をPCに取り込むと、熱源を自動で検出、マーキングし、位置情報をPDF出力やGoogleマップに表示できる。

パソコンへ撮影動画が入ったSDカードを挿し込むと、自動で解析画面が立ち上がる簡単仕様。
確認したい熱源を切り出すことができ、形状や動きなどから人か動物かなど個別にチェックが可能。
検出した熱源の「撮影地点」をクリックするだけでGoogleマップ上に表示。

熱源マーキング
ソフトウェア画面

▼ソフトウェア ダウンロードページ(Japan Innovation Challenge)
https://japan-innovation-challenge.or.jp/download/