2024年4月26日、Liberaware(以下、リベラウェア)は、KDDIスマートドローン、大林組と、国土交通省「中小企業イノベーション創出推進事業」に、建設現場における施工管理の省力化・高度化技術の開発に関する共同提案を行い採択されたことを発表した。

 同事業は、高い技術力を持つ国内企業による先端技術の社会実装の促進を図ることが目的。2026年度末までの事業期間における交付額の上限は4.7億円を予定している。

事業イメージ

 建設業では、働き方改革関連法のひとつである時間外労働の上限規制が2024年4月から適用されることや、生産年齢人口の減少により、建設現場の生産性向上が求められている。国道交通省はi-Constructionの取り組みを推進するなど、建設業におけるICT技術の導入を進めている。また、2022年12月の改正航空法の施行によりレベル4飛行(有人地帯における目視外飛行)が解禁されるなど、ドローン活用への期待が高まっている。

 同事業において3社は、3次元化データの生成やドローンの遠隔運航など、各社の技術力を活用し、建設現場管理の省力化・高度化を目指す。具体的には、ドローンの遠隔運航・自律飛行により巡視や計測に必要なデータを取得し、3次元化データを生成。そのうえで、現場を一元管理できる既存の管理システムと連携する、建設現場管理を一気通貫で行うシステム構築に向けた共同研究を行う。

【主な事業内容】
1. 広大な建設現場におけるドローンの長距離飛行・遠隔制御を通したデータ取得および点群化の実現
2. モバイル通信や低高度衛星を用いた、長距離飛行・遠隔制御に必要な通信環境構築の実現
3. 点群データを成形した上で、実際の建設現場で利用しやすいような変換を行うためのモデル開発
4. 現場で一元管理可能なシステムへの点群データ連携およびデータ利活用

 ドローンの遠隔運航・自律飛行においては、4G LTEなどのモバイル通信や低高度衛星を活用した通信環境の構築、および関連するシステムの開発をKDDIスマートドローンが行い、長距離飛行・遠隔制御や遠隔からのデータ取得を実現する。

 狭くて暗く、ほこり等が舞う厳しい条件下での撮影データからでも3次元データを生成できる技術を有するリベラウェアは、あらゆる環境下の建設現場に対応した3次元データの生成システムを開発する。

 各システムの開発には大林組の現場施工管理に関する知見やノウハウを取り入れ、大林組の管理システムとも連携することで建設現場の生産性向上を実現する。

【各社の役割】

リベラウェア・点群化されたデータのモデリング
・そのデータと大林組の既存システムとの連携システム開発
・プロジェクト全体やスケジュールの推進・管理
・ドローン撮影データの点群化処理、データ成形
KDDIスマートドローン・飛行実証の推進、機体の選定および提供
・遠隔運航撮像システムの開発・提供
・ドローンによる点群化に必要なデータ取得
大林組・建設現場でのユースケースおよび知見の提供
・試験フィールドの提供
・飛行実証の補助
・施工管理に利用する際の設計図面等情報提供