三井不動産を代表企業とするコンソーシアム(ONE PARK×ONE TOWN)は、2024年4月19日、東京都が募集する「築地地区まちづくり事業」の事業予定者に選定された。

 同コンソーシアムには、トヨタ不動産や読売新聞グループ本社など11社が参画。築地市場跡地において、東京の国際競争力を高め、都民から愛されるとともに世界中から人々が集まるまちづくりに取り組むとしている。

 まちづくりの計画、整備、運営などの条件を定める基本協定の締結は、2024年度中を予定している。

全体鳥観図(イメージパース)
位置図

【構成企業】

事業会社(※1)三井不動産(代表企業)
トヨタ不動産
読売新聞グループ本社
建設鹿島建設、清水建設、大成建設、竹中工務店
設計日建設計、パシフィックコンサルタンツ
協力朝日新聞社、トヨタ自動車

※1 開発・運営責任を負う企業

全体計画概要

【計画のポイント】

 5万人収容の大規模集客・交流施設(マルチスタジアム)を中心に、健康長寿社会に向けた「ウェルネスイノベーション」「食・体験・にぎわい」「迎賓・ホスピタリティ」の3つの主要機能を導入し、東京の国際競争力を強化する。

 食や文化・芸術を継承・発展させ、築地の歴史と特性を生かした観光都市としての東京の魅力を向上させる。

 浜離宮恩賜庭園や隅田川といった周辺資源を生かした合計約10haの都内有数のオープンスペースを整備し、こどもからお年寄りまで多くの人が集まり、寛ぎ、さまざまなアクティビティを楽しめる空間を作り出す。

 陸・海・空のモビリティが乗り入れ可能な広域交通結節点を整備し、築地場外市場と連動したにぎわいと交流を促進させる。

 最先端の環境技術を活用したカーボンニュートラルの達成、多様な環境配慮に取り組む(風の道、太陽光発電、緑化(緑被率約40%)、水素ステーション、バイオガス発電等)。

隅田川沿いのオープンスペース(イメージパース)

【基本事項】

所在地東京都中央区築地5丁目および築地6丁目各地内
活用都有地面積約19万m²
総延床面積約117万m²
総事業費約9,000億円
開業時期2030年代前半以降(一部施設は29年度に先行開業)
主要建物大規模集客・交流施設(マルチスタジアム)、ライフサイエンス・商業複合棟、MICE・ホテル・レジデンス棟、舟運・シアターホール複合棟など合計9棟
陸・海・空を結ぶ次世代型交通拠点・東京駅と臨海部を結ぶ臨海地下鉄の新駅、首都高晴海線出口と接続
・空飛ぶクルマの実用化を見据えたポート
・隅田川沿いに、観光・通勤の舟運ネットワークの拠点となる舟運施設
・次世代モビリティやバス、タクシー等が乗り入れる交通ターミナル
陸・海・空のモビリティが乗り入れ可能な広域交通結節点(イメージパース)

配棟計画

イメージ図

(1)大規模集客・交流施設(マルチスタジアム)
 世界屈指の可変性と多機能性を備えた約5万人(用途に応じて2万~5万7000席に可変)収容の屋内全天候型施設。

<場面転換のイメージパース>
左:ラグビー、アメリカンフットボール、サッカー、右:野球、ソフトボール
左:コンサート、右:展示場

(2)ライフサイエンス・商業複合棟
 ライフサイエンスコミュニティの中核拠点。バイオテクノロジー・ヘルスケア産業の強化に向け、国立がん研究センター等の医療機関に近接し、霞が関に集積する行政機関とのアクセス性も高い立地特性を生かし、人的交流機会や高度人材・情報の集積を促すイノベーション・プラットフォームを構築する。

(3)MICE・ホテル・レジデンス棟
 国際水準の多様なニーズに対応するMICE施設(メインホール、バンケット、大中小会議室、ホワイエ等)、上質な大規模ホテル、短~中期滞在拠点として利用可能な居住機能を備える。

(4)舟運・シアターホール複合棟
 日本の食のフードホール、食に関する研究機能を持つフードラボ、文化・芸術のシアターホール(収容人数約1,200人)、舟運待合機能等を備える。

(5)(6)ホテル棟
 浜離宮恩賜庭園の日本的景観を取り込み、国賓やVIPの迎え入れが可能な宿泊滞在施設。

(7)レジデンス棟
 世界のエグゼクティブや高度人材等を受け入れる滞在・居住施設。

(8)オフィス・レジデンス棟
 中長期の滞在ニーズに応えるハイグレードな居住機能、オフィス。

(9)オフィス棟
 多様な働き方など、さまざまなニーズに対応するシェアオフィスを含むオフィス、商業施設。