2024年4月4日、NTT e-Drone Technology(以下、NTTイードローン)、Red Dot Drone Japan(以下、RDDJ)、エアロセンスは、国土交通省「中小企業イノベーション創出推進事業/国際競争力強化に資する交通基盤づくりに向けた技術の開発・実証」に、3社の共同提案「港湾点検・巡視の効率化と迅速化を目的としたドローンの活用及び映像解析AIの開発」が採択されたことを発表した。

 同事業は、高い技術力を持つスタートアップ企業による先端技術の社会実装の促進を図ることを目的としたもので、2027年度末までを予定している。

 港湾施設の維持管理では、職員や点検作業者の手作業による点検診断が行われており、効率化・低コスト化が求められている。加えて、災害発生時には各種警報等の発令後、人による目視・測定が困難な場合や、夜間に発災した場合など、より厳しい環境下での迅速な被災状況把握が必要となる。

 この課題に対して、ドローン情報に基づく機体の選定・運用実績のあるNTTイードローン、画像解析AIを多数開発し、ドローン制御システムの開発ノウハウを有するRDDJ、垂直離着陸型固定翼ドローンを開発したエアロセンスの提案が採択された。

事業内容

 NTTイードローンが蓄積してきた、NTTグループのインフラ設備をドローンで点検するノウハウや自治体のインフラ点検システムの開発を受託する実績を活用し、港湾施設における点検・警備の目視代替となるドローンの運用手法の確立を目指す。また、AIをはじめとする点検・警備向けアプリケーションの高度化を推進し、損傷検知AIや人検知AIの開発を行う。

【主な事業内容】

外郭施設の日常・定期点検における近接目視点検の代替としての、ドローンの活用・運用方法の明確化、災害時を想定した空撮による被災状況の確認
夜間等における赤外線カメラを用いた警備代替としての、ドローンの活用・運用方法の明確化
コンクリートの損傷度合い把握、および可視光における人物検知を目的としたAIの開発

【各社役割】

NTTイードローン
インフラ点検で培ったノウハウを港湾に展開するための全体統制、技術の目利き
欧米製ドローンの最先端情報をもとに、機体選定からアプリケーション連携まで
インフラ劣化検知(ヒビ、露筋、ずれ)AIの開発

RDDJ
港湾におけるヒト検知AIの開発
港湾環境に応じたAIアルゴリズムの選定およびカスタマイズ

エアロセンス
港湾における広範囲の設備点検・警備を垂直離着陸型固定翼ドローンで代替するための実証