千曲運輸とKDDIスマートドローンは、長野県小諸市が運営する山小屋まで物流ドローン「DJI FlyCart 30」を使用して物資を輸送する実証を、2024年12月11日から12日まで実施した。
同実証では、天狗温泉浅間山荘グラウンドから、飲料や日用品を含めたペイロード重量約26kgの荷物をドローンに搭載して、山小屋(火山館)まで片道約3.2kmを自律飛行し、ウインチ操作により荷下ろしを行った。その後、天狗温泉浅間山荘グラウンドまで自律飛行で戻ってくる一連の実証を実施した。
人が運搬する場合は往復3時間半以上を要するところ、ドローンは約11分で輸送を完了。降雪環境での飛行を行うことで、寒冷地における物資輸送の有効性を確認した。
この実証は「ドローン活用信州モデル創出補助金」を活用して実施したものとなる。
山岳地域を多く有する長野県では、歩荷(ぼっか)またはヘリコプターで山小屋に飲食物や燃料等の物資を輸送している。歩荷には、けがや命の危険、人材の不足といった人的リスクがあり、へリコプターによる輸送は運用コストが高いという課題がある。また、実証地である浅間山は活火山であり、噴火や雪崩などの災害時の一時避難場所である山小屋への物資輸送が困難である。
実施内容
天狗温泉浅間山荘グラウンドから山小屋(火山館)までのドローン飛行ルート(往復約6.4km)において、飲料や日用品を含めたペイロード重量約26kgの荷物を山小屋まで輸送し、ウインチシステムを使って荷下ろしを実施。天狗温泉浅間山荘グラウンドまで、バッテリーを交換せずに帰還する実証を行った。
今回の実証では、プロポと機体は2.4GHzの直接通信で飛行制御を行ったが、今後は上空での4G LTEを使った飛行により運航の高度化を図る。