2024年10月1日、スカイリンクテクノロジーズはシードラウンドにおいて、mintをリードインベスターとして個人投資家の中野智哉氏、他1人から、累計5,000万円の資金調達を実施したことを発表した。

空飛ぶクルマ(VTOL機)の開発を推進、5,000万円調達

 長距離飛行が可能な空飛ぶクルマ(VTOL)の研究・開発を進める同社は、今回の資金調達により、開発や採用・組織体制の強化を図りVTOL開発を推進し、事業を加速させる。

 同社が開発するVTOL機は垂直離着陸により、滑走路が不要で限られたスペースから発着が可能。インフラ投資を行うことなく、乗り換えの無駄を無くした新しい移動手段を提供する。

 翼とプロペラを横に展開できるチルトウイング機は、スピードを向上することが可能。ヘリ型ドローンと比較した場合、倍以上の速度(時速650km)を達成し、リニアより早く移動することができる。

 また、エンジンを搭載することで航続時間を延長。これまで有人ドローンやeVTOLは、バッテリーの問題から航続時間が短く十分な距離を飛ぶことができなかった。同社はエンジン型を採用し、十分な航続時間を確保。ハイスピードと合わせることで1,400kmの航続距離を目指す。

VTOL機の特徴を表した図(垂直離着陸、長距離飛行、ハイスピード)

 現時点ではチルトウイング機構の小型検証機を開発しており、開発の過程で取得した技術をドローンメーカーなどへ供与している。ドローンメーカーがもともと持っているヘリ型ドローンの機体をベースに、主翼・尾翼の換装、姿勢制御プログラムを搭載することで、ゼロから開発することなくチルトウイング機構のVTOL機を生産ラインに加えることができる。

 同社は、小型検証機の技術供与を行いながら、2027年には2人乗りの技術検証機の完成、2030年代後半には6人乗り有人機を完成し、実機の販売を行うことを目指す。

小型検証機、技術実証機(2人乗り)、6人乗り有人機(空飛ぶクルマ)

各者コメント

mint General Partner 白川智樹氏・Principal 岡澤雄介氏

 スカイリンク・テクノロジーズ社の開発するチルトウイング機構を搭載した機体は、垂直離着陸を可能にした上で、中長距離の飛行を実現し、飛行移動の概念をさらにアップデートするものだと思っています。そしてこの大きなチャレンジに取り組んでいく森本さんたちの想いにも共感し、今回ご出資をさせていただきました。ご支援できることを大変光栄に思います。

個人投資家 中野智哉氏

 森本社長の少年のような想いに共感し出資しました。長距離飛行が可能な空飛ぶクルマ(VTOL機)があれば日本中をより便利につなぐ事ができる。とても難易度の高い事業へのチャレンジですが、日本・世界の未来を変えるスケールのでかいチャレンジを応援したいと思います! スカイリンクテクノロジーズだから実現できた未来を創って欲しいと思ってます!

スカイリンクテクノロジーズ 代表取締役CEO 森本高広氏

 世界中で、空飛ぶクルマやドローンの活発化していますが、航続距離などの課題が明確になっています。当社ではチルトウイングという技術をソリューションとして、ヘリコプターの倍の速度と航続距離を持ちながら、垂直離着陸で好きな場所に降りることのできる機体を作ってまいります。この圧倒的な性能で、世界のチームに先駆けて長距離移動のニーズをカバーしてまいります。それは、空飛ぶクルマ市場の活性化にもつながり、世界の移動を変え、様々な課題を解決していけるものになると信じています。
 この度は、この壮大なプロジェクトに共感してくださり、共に歩んでくださる方に出会えたことを大変嬉しく思います。この一歩を大切にし、開発に邁進してまいります。