京セラコミュニケーションシステム(以下、KCCS)と出前館は、車道を走行する中速・中型無人自動配送ロボットを活用し、注文された商品を配達するデリバリーサービスの実証実験を、北海道石狩市緑苑台東地区の一部エリアで8月22日から開始する。

 同実証実験は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募し、2022年6月にKCCSが採択された「革新的ロボット研究開発基盤構築事業/自動配送ロボットによる配送サービスの実現」の取り組みの一環として実施するもの。

写真:小さいワゴン車のような外観の配送ロボット。側面には小さな扉が複数並んでいる。
中速・中型無人自動配送ロボット
写真:ロボット側面の扉から品物を取り出す様子
サービス利用イメージ

 近年、過疎地域だけでなく都市部や郊外の住宅街においても、高齢化や食料品小売店の減少など経済社会構造の変化による買い物弱者の増加が「食料品アクセス問題」として社会的な課題となっている。また、深刻な人手不足などの課題から、配送能力が高い「中速・中型」自動配送ロボットの社会実装が期待されている。

 KCCSは、中速・中型無人自動配送ロボットを活用したさまざまなサービスの提案、実証を通じ、地方自治体や企業と協力した技術開発・サービスの検証を進めている。より実用的なサービス展開を目指し、今回の実証実験より夜間配送を開始する。

 出前館は、配達機能を持たない飲食店に代わり同社が配達を行うシェアリングデリバリーサービスを展開しており、新しいテクノロジーを活用しながら、人々を支えるライフインフラとしてデリバリーのさらなる日常化を目指している。

 同実証実験は、2024年8月22日~10月下旬、北海道石狩市緑苑台東地区の一部エリアにおいて、水~日曜日の10:00~21:00の間、1日5便を配送する予定。

 出前館のアプリやサイトで注文を受けた商品を、無人自動配送ロボットで注文者の自宅近くの宅配ポイントまで配送する。配送予定商品は、セイコーマート緑苑台店の常温品 全306品(ホットシェフ、酒、冷蔵、冷凍品は対象外)。

 走行ルートの関係上、徒歩1分圏内に停車する予定で、決済は出前館のアプリ上で事前に行う(現金対応不可)。無人自動配送ロボットの走行中は遠隔から監視者がモニタリングし、状況に応じて遠隔操縦を行う。

【注文・配送の流れ】

注文と配送の流れを説明する図。1:出前館アプリで注文、2:セイコーマート従業員がロボットに商品を積み込む、3:商品をロボットで注文者の自宅近くの宅配ポイントまで届ける、4:宅配ポイントで注文者が受け取る。

【各社役割】

KCCS・実証実験に関する企画・管理・調整
・無人自動配送ロボットの開発、運行管理
出前館・デリバリーシステムの提供・連携

▼出前館【無人自動配送ロボット実証実験】セイコーマート緑苑台店 北海道石狩市緑苑台東地区限定
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