2024年6月21日、Hakobotは、100kgの工業製品を自動配送ロボットにより公道で搬送する実証実験を実施することを発表した。

 同社は2023年度より近畿大学経営学部 経営学科 古殿幸雄ゼミと、自動配送ロボットのビジネスモデル構築に向けた共同研究と実証実験を重ねてきた。2024年度は、どの業界で高額な自動配送ロボットの導入が見込めるかを検討し、同価格帯で類似運用のAGVなど屋内用自動搬送車の導入が進む製造業や物流事業者が有望であるという結論に至った。

 この結論に基づき、町工場や物流センターが点在する東大阪工業地帯において、重量積載物を搬送する実証実験を実施する。実証実験では、加工前のネジを加工業者に搬送して加工後のネジを積載して戻ってくるという普段頻繁に発生している配送業務を、人に代わって自動配送ロボットが行う。

 7月19日に実施予定の実証実験では、サンコーインダストリー東大阪物流センターから深輝精工までの道のりを、100kgの荷物を積載して自動運転で搬送する。車道と歩道を白線で区切る狭い道路のため、基本的には白線上を走行する。路上駐車等で想定外にコースが変わってしまい自動運転が難しい場合は適宜遠隔操作に切り替え、コースに戻り次第自動運転に切り替えるハイブリッド運用を行う。

 技術的なポイントは二つ。一つ目は、低速・小型の屋外用自動配送ロボットでは最重量級となる100kgの荷物を積載しての公道走行。屋内とは異なる路面環境下の公道で重量荷物を搬送することで、新たな活用方法を提案していく。二つ目は、加工業者から物流センターへの復路の狭い道を、車両の切り返しを行わずにバックで走行すること。自動配送ロボットは4輪操舵で設計されているため車両に前後がなく、同じ走行軌道での往復が可能。狭い道でも切り返しを行わずに運用することができ、小型自動配送ロボットの特性を生かして狭い屋内外の走行環境でも運用が行える。

写真:配送ルート
写真:コンテナボックスを積んだ自動配送ロボット
スムーズに作業動線に入れるようコンテナボックスの中に資材を載せ、コンテナボックスごと車両の荷室に搭載して搬送する。