北海道新十津川町とエアロネクスト、NEXT DELIVERY、電通北海道は、同町において新スマート物流SkyHubのサービスを開始するにあたり、2024年7月25日、SkyHubサービスの拠点となるドローンデポの開所式を開催した。

集合写真
エアロネクスト代表取締役CEO/NEXT DELIVERY代表取締役 田路圭輔氏(写真向かって左から2番目)、新十津川町長 長谷口秀樹氏(同3番目)。SkyHubサービスで使用するドローン(手前)、軽バン(奥)。

 新十津川町と各社は、2024年1月に「ドローンのまちづくりに関する連携協定」を締結しており、国のデジタル田園都市国家構想推進交付金を活用した「新十津川町ドローンプロジェクト」の一環として、ドローン配送と陸上輸送を組み合わせた新スマート物流SkyHubを実装していく。

 SkyHub事業とドローン運航事業を行うエアロネクストの子会社NEXT DELIVERYを主体に、町内の事業者と連携しながら、8月1日よりフードデリバリーサービス、買い物代行などのサービス等を提供する。

 SkyHubは、ドローン配送と陸上輸送を融合した新たな物流インフラを構築することで地域課題の解決に貢献するもので、新十津川町は社会実装フェーズに入った11番目の自治体となる。

 開所式では、配送サービスの一つとして計画しているしんとつかわキャンプフィールドへの食材配送を実施した。

写真:ドローンポートに荷物を置いてドローンが飛び立つ様子
物流専用ドローン「AirTruck」がキャンプ場に荷物を置き配する様子。ドローンの可搬重量(ペイロード)は最大5kg、最大飛行距離は20km。(しんとつかわキャンプフィールド)
写真:品物が入った箱をスタッフが町民家族に手渡す様子
ドローンで配送したBBQセットを受け取る町民。(しんとつかわキャンプフィールド)

配送サービス

フードデリバリーサービス(SkyHub Eats)
 新十津川町の提携飲食店の食事をドローン便やクルマ便で配送する。料金は、配送料200円(税込)とサービス料(商品代金の10%程度)を想定。

地域の商店と連携した買い物代行サービス(SkyHub Delivery)
 SkyHub ECで購入した地域の商店やスーパーなどの商品を、希望日時に個宅に届ける買い物代行・配達代行サービス。地域商店のDX化支援の取り組みでもあるネットスーパーサービス。

ドローン配送

 2024年7月25日の報道関係者への公開では、計画している配送サービスのデモフライトとして、新十津川町 農村環境改善センターみらいえ から、しんとつかわキャンプフィールドまで片道約5.16kmを約11分で配送した。配送物は、地域商店のソーセージやジンギスカンなどが入ったBBQセット。使用機体は、エアロネクストがACSLと共同開発した物流専用ドローン「AirTruck」。

写真:BBQセット(牛肉やホルモン、ジンギスカン、ソーセージ)と、青と白を基調色としたAirTruck専用の輸送箱。
今回ドローン配送したBBQセット。

 2024年8月1日より、しんとつかわキャンプフィールド利用客に向けに、デモフライトを実施したルートで食材等のドローン配送を開始する。また、年度末までに順次ルートを増やし、フードデリバリー等でのドローン配送も開始していく予定だ。

 新十津川町と各社は今後も連携協定に基づき、同町の課題や町民のニーズに沿って、ドローンを活用した持続可能な物流網の構築や人材育成による産業の創出など、幅広い分野で「ドローンのまちづくり」に取り組むとしている。