2024年3月14日、GMOグローバルサイン・ホールディングスは、2024年4月より、ロボティクス・ドローン分野におけるAIを活用した動作ログ解析の実証実験を開始すると発表した。

 ロボットやドローンの動作ログに、機械学習とディープラーニング技術を活用した高度なAI解析を行うことで、故障リスクやセキュリティリスクをマネジメントして運用効率を向上させ、事業リスクを低減することを目指す。

 2022年12月に施行された改正航空法により、ドローンのレベル4飛行(有人地帯での目視外飛行)が可能となった。2023年4月には改正道路交通法が施行され、自動走行ロボットの公道での運行が可能になるなど、法整備もロボット・ドローンの普及を後押ししている。

 ロボットやドローンへの依存度が高まるにつれ、故障やセキュリティインシデントなどにより稼働不能になった場合の事業への影響も大きくなる。ロボットの自律稼働のためのリアルタイムAI分析は研究が進む一方、事業リスクを予測するためのAIの活用はまだ十分ではない。

 ロボットやドローンの故障リスクやセキュリティリスクのマネジメントの最適化と運用効率の向上によって事業リスクを低減することを目指し、同社は実証実験を開始する。

実施内容

 以下のプロセスで、クラウド上でのロボット・ドローンの包括的な動作ログ収集とAIによる解析を行う。

1. ドローン関連企業の技術連携を目指す「ドローンオープンプラットフォームProject」に参画し、空中ドローンについて、飛行中にセンサー等で収集したログデータを解析し、ドローンの故障リスクの予測などを行う。

2. 対象を陸上ドローン(ローバー)や自動走行ロボット、水中・水上ドローンに広げていく。

3. 最終的には、ログの収集・解析の対象をドローン以外のロボットにも広げていく。

 将来的には、ロボット・ドローンメーカー(顧客サポートおよび品質改良)、物流・製造・設備点検およびサービス事業者(故障・動作不良予測やセキュリティリスクの発見)、損害保険会社(故障に伴う直接的な物理的損害に対する保険料率算定の精度向上や企業の事業リスクをカバーする保険商品の企画等)への分析結果の提供を見込んでいる。