2024年3月13日、DRONE FUNDは、エイシングに3号ファンド(DRONE FUND 3号投資事業有限責任組合)から出資を実行したことを発表した。

 エイシングは末端機器で推論を行うエッジAIの中でも、推論に加え学習も可能で、より軽量なエンドポイントAIを開発・提供している。

 同社の開発するエンドポイントAIは、学習機能と予測機能の両方をエッジ(末端機器)にもたせることが可能。クラウドAIは豊富な計算リソースを活用できる反面、予測時に通信遅延が生じることや、情報漏洩のリスクがある。エッジAIでは計算リソースに制約はあるものの、予測時の通信遅延がなく、通信量も学習時にのみ必要となる。エンドポイントAIは学習機能と予測機能の両方をエッジ側に持たせているため、学習時の通信遅延がなく情報漏洩リスクも極めて低いという。

 エイシングがこれまでに開発してきた独自のAIアルゴリズムは、軽量かつ高速、高精度であり、デバイス上での逐次学習や未学習データへの対応が可能。このAIを適用することで、ドローンが瞬時に環境変化に対応し、自己学習を通じて最適に制御ができるとしている。

各社コメント

エイシング 代表取締役 出澤純一氏

 この度は、DRONE FUNDよりご出資いただきましたこと、心より感謝申し上げます。エイシングのビジョンに共感し、私たちの実績をご評価いただき、大変光栄に存じます。これまで弊社は独自のAIソリューションにより、従来の制御システムを高度化してまいりました。複雑な制御が必要とされるモビリティー領域において、DRONE FUNDがお持ちのドローンマーケットにおける専門的な知識と弊社のAI技術やノウハウを掛け合わせることで、今までにないレベルでの制御改善や性能向上が期待できると確信しております。今後もDRONE FUNDのサポートを受けながら、私たちはさらなる成長に向けて前進していく所存です。

DRONE FUND 共同代表 大前創希氏

 ドローンの社会実装を進めていくためには、ドローンの安全性や効率性の向上が必要です。AIという手段がありますが、ドローンは重量や電力消費などの面からハードウェア上の制約が大きく実装のハードルが高いものとなっています。AISingのソリューションは、超軽量かつ省電力ながらも高速性を誇り、業界が切望していた課題を巧みに克服した実装可能なソリューションであると判断し、投資を実行いたしました。私たちは「ドローン・エアモビリティ前提社会」の実現に向けて、AISingの支援を進めていきます。