2024年3月4日、三菱総合研究所（以下MRI）は、総務省 地域デジタル基盤活用推進事業（自動運転レベル4検証タイプ）の管理事業者として選定されたことを発表した。遠隔監視システムその他の安全な自動運転に必要な通信システムの要件を社会実証により検証し、地域限定型のレベル4自動運転移動サービスの社会実装を支援する。

　自動運転技術は地域交通の持続性の確保に役立つものとして期待が高まっており、政府の「デジタル田園都市国家構想総合戦略」でも、地域限定型のレベル4自動運転移動サービス（以下、自動運転サービス）の全国展開・実装を目指している。自動運転サービスの社会実装には、遠隔監視システム等の通信システムが必要となる。社会実証による通信システムの要件の検証は急務であり、政府の「デジタル田園都市国家インフラ整備計画」に位置づけられている。

事業概要

① 地域限定型の自動運転移動サービスを実現・支援する通信システムの要件等の調査・分析
　遠隔監視システム等で用いる通信システムの信頼性確保等のために推奨される通信環境等について調査・分析する。また、自動運転サービスを導入しようとする地域や事業者等が参照するモデル集を作成する。

② 通信システムの信頼性確保等のための実証
　①の検討のため、特性の異なる地域（全国で5～10程度）を対象に、各地域における自動運転サービスの実現に向け克服すべき課題の対応策を実環境で実証する。

実証のイメージ（出所：三菱総合研究所）

　MRIは、①の調査・分析および、②の実証を行う民間企業および地方公共団体などによるコンソーシアムの公募・選定・管理を行う。

　自動運転サービスに必要な通信システムの要件の検証により、その社会実装の加速が期待される。同社は蓄積した知見を、地域経営マネジメントや民間企業の成長支援に活用することを目指すとしている。