トルビズオンとミライステラスは、2024年2月16日、長崎県波佐見町においてドローンの配送実験を実施した。

 波佐見焼の生産には、初期段階の工程で作成した生地を窯元へ運ぶ作業において、輸送時の振動による磁器割れやドライバー不足などの課題がある。この課題に対するドローン活用の有効性を検証した。

 ミライステラスは棚田の文化や景色を次世代につなげるため、ドローン活用による棚田の空を使った取り組みを行ってきた。今回、運送業の2024年問題の解決および持続可能な社会の実現に向け、長崎県の伝統工芸品である波佐見焼に着目し、実証実験を企画した。

実証実験の概要

 2024年2月16日、ニシトウ(生地屋)で生産した波佐見焼の生地800gを、ドローンを用いて駐車場から高山(窯元)へ配送した。輸送距離は0.2km。

生地を配送用のボックスへ入れる様子
配送ボックスのパッケージは長崎総合科学大学附属高校の生徒が制作した
ニシトウから高山へ輸送する様子

 今回の実証実験により、ドローンを使って生地を破損せずに輸送できることがわかった。今後は飛行距離を伸ばしたフライトを実施し、ドローン活用による脱炭素の効果を検証する予定だ。また他の地元企業と連携し、同エリア内でドローンの物流網を構築して地域の課題解決に貢献するとしている。

ミライステラス前田代表取締役社長のコメント

 長崎県波佐見町では、焼き物の型を作るための割れやすい生地を車で慎重に運ぶことによる交通渋滞が発生することについて地元の方が問題視されていました。

 そこで生地を窯元まで振動を与えずに運ぶ手段として空の道が活用できると考え、今回の実証実験に取り組みました。

 今回の実証実験では着陸による生地への割れ等の影響もなく無事輸送が完了しました。

 最近では25kg程度まで運べる大型のドローンが出てきており、物流としても新しい展開に繋がることを期待しています。