ACSLの米国子会社であるACSL, Inc.は、米国テキサス州に拠点を置くFirmatekと、2024年1月16日に、米国市場の鉱業や重要インフラ産業におけるドローンの実装と活用促進に向けた戦略的パートナーシップに関する覚書(MOU)を締結した。ACSLグループは、この締結により米国市場における販売・市場開拓を加速させるとしている。

 Firmatekは、鉱業や重要インフラの点検においてドローンサービスを提供する企業。2016年にドローンによるソリューションの提供を開始し、鉱業・埋立地や廃棄物管理業・電力設備・災害対応・建設業などさまざまな分野で活用されている。

 ACSLは2023年1月、カリフォルニア州に米国子会社ACSL, Inc.を設立し、小型空撮ドローン「SOTEN」の改良を進めてきた。同年12月には、ACSL, Inc.がGeneral Pacific, Inc.にSOTENを50機納品し、米国における販売を開始。2024年からSOTENの販売を本格的に拡大する予定だ。

 ドローン市場では経済安全保障や環境配慮に関する政策が加速しており、米国ではNational Defense Authorization Act(NDAA)が施行され、ロシア製や中国製のドローンの政府調達が禁止されている。また、中国のDJI社は、2022年10月に米国国防総省の「中国軍事関連企業」に指定された。こうした市場環境の中、ACSLは経済安全保障、企業向け対応、用途特化型をキーワードとしたポジショニング形成を狙う。

米国に輸出した小型空撮ドローン「SOTEN」