2023年12月6日、セキュアドローン協議会のセキュリティガイドWGは、「ドローンの業務活用におけるセキュリティ対策の意識調査」のレポートを公開した。
同調査は、ドローンの業務活用におけるセキュリティの必要性について広く啓発することを目的に実施した。
ドローンの本格的な利活用が進む産業用ドローンは、有人地帯(第三者上空)における補助者なし目視外飛行や、無人航空機における携帯電話等の端末の上空利用緩和などの法整備が進んでいる。セキュリティ対策については、2022年3月に経済産業省が「無人航空機分野サイバーセキュリティガイドライン」を公開し、無人航空機の汎用的なシステムモデルについて定義した。
これまで政府はIoTや自動運転車などのセキュリティを検討しており、これらのシステムと同様に、ドローンならびに周辺のソリューションにおいてもセキュリティ実装の重要性が高まっている。
調査概要
実施期間 | 2023年11月1日~17日 |
回答数 | 136件 |
調査対象 | 機体メーカー・機体関連機器メーカー ドローンサービス提供事業者 ドローン活用ユーザー企業 |
実施方法 | インターネットによる調査 |
ドローンの業務活用において、セキュリティ対策は必要だと思うか
・ とても必要だと思う:58.1%
・ 必要だと思う:39.7%
大半の回答者が、ドローンのセキュリティ対策の必要性を認識している。
ドローンのセキュリティ対策における予算について
・ 予算をかけている:2.9%
・ 将来的に予算をかけることを検討している:27.9%
・ 予算をかけていない/予算がない:56.7%
ドローンの業務活用について
・ 空撮:51.5%
・ その他点検:33.8%
・ 測量:26.5%
携帯電話等の上空利用(LTE等)
・ すでに使用している:7.4%
・ 将来的な使用を検討している:43.4%
「すでに使用している」場合の用途
・ 遠隔操作:66.2%
・ 映像・画像送信:63.5%
【その他の設問についての調査サマリー】
ドローンを業務活用するうえで、セキュリティ上の心配な点
・ 電波障害・GPS障害:73.5%
・ 墜落:73.5%
・ ドローンで取得した情報漏えい(各種ログや映像・画像データ等):69.9%
・ 悪意ある第三者によるハッキング・乗っ取り:65.4%
・ 悪意ある第三者による脆弱性の悪用:45.6%
ドローン機体本体、航行管理以外でサイバー攻撃の課題を意識して運用しているか
・ 運用している:3.7%
・ 将来的な運用を検討している:16.9%
・ 運用していない:61.0%
・ わからない:18.4%
ドローンに実装するソフトウェアの脆弱性診断は実施しているか
・ 実施している:2.2%
・ 将来的な実施を検討している:12.5%
・ 実施していない:51.5%
・ 独自のソフトウェア実装は行っていない:18.4%
・ わからない:15.4%
ドローンのファームウェアアップデート情報を定期的に確認しているか
・ 確認している:62.5%
・ 確認していない:19.9%
・ わからない:17.6%
今回のアンケート調査では「悪意ある第三者によるハッキング・乗っ取り」など、企業はセキュリティ対策の必要性を認識する一方で、予算上の課題が見受けられる。同協議会は、経営層を含めたドローンのセキュリティ対策の重要性について意識の向上が必要だとしている。今後、アンケートの結果内容を受けて、同協会が策定する次版のドローンセキュリティガイドでは、セキュリティ対策の具体的な内容や優先順位などを記載する予定だ。
▼ドローンの業務活用におけるセキュリティ対策の意識調査レポート
https://www.secure-drone.org/news/2023/1206-drone-security-survey/