2023年7月10日、パーソルプロセス&テクノロジー(以下、パーソルP&T)は建築研究所と、人材不足の解消を目的に建築分野におけるドローンに関する人材要件を整理した「建築ドローンキャリアマップ」と「職種要件定義表」(以下、キャリアマップ)を作成したことを発表した。

 建築業界におけるドローンに関連する職種をマッピングして職種の分類を整理したもので、現行の既存職種から、想定されるキャリアステップ、キャリア形成に必要なスキル要件などを体系的に示している。

 同キャリアマップを活用することで、建築分野の従事者は現在の自身の業務概要を把握するとともに、専門性を高めていくために必要なスキルや経験の把握・習得につなげ、キャリアアップに生かすことができる。建築分野以外でのドローン活用者は、自身のドローン技術について建築分野への転用方法や職種を把握し、建築分野への転職または参入を検討する要素として活用が可能。建築分野に関わる企業においては、現在の職種から派生する将来のドローン職種を知ることで、ドローン人材育成の参考材料にできるとしている。

建築ドローンキャリアマップ

建築ビジネスを「設計」「施工管理」「技能職」「周辺分野」の4つのカテゴリに分類し配置。

マップ中央に「既存職種」を置き、該当エリアに「求人のある建築ドローン職種・求人はないが実用化されている建築ドローン職種」「未来職種」を、関係性がわかるように配置。

マップ中心から離れるほど要求されるドローンの操縦スキルが高くなるように配置。


 将来的な人材不足が予見されている建設業界ではIT技術の導入が進められている。しかし、屋内や狭所での作業が多く、屋外で活用する場合と比べてさまざまな面で課題があることから、ドローン活用は進んでいない。

 具体的な課題として、狭所空間内では機体とプロポ(送信機)間の通信が途絶しドローンが制御不能となる可能性があることや、制御不能となった場合は機体回収が困難になる点、バッテリー発火による建築物への火災対策が必要な点などが挙げられる。

 人材不足解消に向けた建築分野でのドローン活用の課題に対し、建築分野に特化したキャリアマップを開発することで、必要な人材要件および働く人のキャリアパスを明確化して建築分野におけるドローン導入を促進し、建築業界の発展に寄与するとしている。