2023年12月4日、ワールドスキャンプロジェクトは、同社が開発中の空飛ぶEVクレーン「スカイクレーン」試作機の飛行テストを2023年10月30日に実施し、成功したことを発表した。スカイクレーンは一般のクレーンと同様に人が操作するが、地上ではなく空中を移動する。

 スカイクレーンの試作初号機が完成したことから、10月30日、同社は千葉県においてテストフライトを実施した。試作機は地上1mの高さまで浮上し、機体重量70kgのスカイクレーンが重さ80kgの荷物を載せた状態で7分間にわたり飛行高度を維持しながら、前後左右5~7m移動することに成功した。

 スカイクレーンは自動化された作業を行うため、通常のクレーンよりも迅速で正確な動作が期待できる。これにより建設プロジェクトの進行スピードが向上し、生産性が向上する可能性があるとしている。また、地形や障害物に制約されにくいため、従来のクレーンがアクセスしにくい場所でも作業が行えるほか、人が直接作業する必要がなくなり、高所や危険な場所での作業の安全性が向上する。離陸・着陸ポイントに1名ずつ、合計2名で対応可能。

機体仕様

機体サイズW2800mm × D2800mm × H1100mm
モーター100V、最大推力 300kgf
バッテリー100V
機体重量約70kg

活用事例

1. 建設現場での空中資機材運搬
 高層ビルや高速道路の建設に必要な資機材(セメント、単管パイプなど)の運搬。地上の制約を回避し、迅速かつ効率的な物流の確保が可能。

2. 貨物船の積荷作業
 港湾や貨物船での積荷作業では、船とクレーンが連携して、コンテナの積み降ろしや船上で重い貨物を運搬する。

3. 鉄塔メンテナンス時の資材運搬
 鉄塔など高所の構造物のメンテナンス作業では、塗料缶やボルト・ナットなどの資材を高い位置にある作業現場に届けることができる。

4. 離島や過疎地への荷物運搬
 離島や過疎地など、往来が難しい場所への荷物運搬。陸路が難しい状況でも、空から物資を運搬する。

5. 被災地への救援物資運搬
 災害発生時、被災地へ救援物資を運搬する。