2023年11月9日、ACSLは、フィックスターズと、ドローンの拡張性を高めるためのオープンなソフトウェア開発キット(SDK:Software Development Kit)の共同開発を進める契約を締結したことを発表した。

 同契約は、両社が相互に人材・技術等を提供しあうことで、ドローンの自動運転技術の普及期に向けて、実用性の高いアプリケーションを開発するための環境整備を共同で推進することを目的としている。ACSLの国産ドローンの開発環境がオープンになり、ユーザーはセキュリティを確保したまま自社でのアプリケーション開発が可能になる。

ACSL製の小型空撮ドローン「SOTEN(蒼天)」

 先進的なセンサー技術やAIアルゴリズムの発展により、ドローンは複雑な環境下でも高度な自動飛行ができるようになった。これにより、都市空間での配送、大型設備や危険区域の点検、災害時の救助活動など、多岐にわたる用途での活用が期待されている。さらに、自動運転技術の進展は、ドローンの運用コスト削減や安全性向上に寄与しており、その普及は今後も加速していくと予想される。

 ドローンを社会に広く浸透させ用途拡大を進めるには、高度なセンサーやAIアルゴリズムの技術開発に加えて、エンドユーザーのニーズを正確に把握し、それに応えるアプリケーションの開発が求められる。そのため、ドローンの用途を拡張させるための環境認識や衝突回避、目的地までの経路探索の精度向上などの開発に必要とされる、オープンなSDKの普及と環境整備が必要となる。

 ACSLのドローン開発技術と、フィックスターズのSDK開発技術により、市場の黎明期から共同で技術開発を開始し、国産ドローンの開発環境のオープン化を目指す。両社は、自動運転技術によりドローンの拡張性を高める市場ニーズに応えた新たなソリューションの提供を具現化するとしている。

各社コメント

ACSL 代表取締役CEO 鷲谷 聡之 氏

 お客様からの国産ドローン、セキュリティー対策が可能なドローンへのニーズは高まる一方で、すでに自社開発しているソフトウェアとの連携や要望に合わせた機能の開発を求める声を多くいただいておりました。

 この度のフィックスターズ様との協業でオープンなソフトウェア開発キット(SDK)を共同開発することにより、ACSLが提供する国産ドローンSOTEN(蒼天)においてお客様自身での開発が可能となり、今まで以上にSOTEN(蒼天)の使用用途が広がるものと期待しております。

フィックスターズ 代表取締役社長 三木 聡 氏

 ドローンの自動運転技術が進化し、高精度なセンサーとAI技術との深い連携がソフトウェア開発にも求められています。ACSL様との協業を通じて、当社の豊富なSDK開発実績に下支えされた、オープンで使いやすいソフトウェア開発キット(SDK)をお客様にお届けし、ドローン技術の実用化と社会実装に貢献してまいります。