2023年10月25日、DRONE FUNDは、RICOSへ、3号ファンド(DRONE FUND 3号投資事業有限責任組合)からの出資を実行したことを発表した。

 RICOS は製品設計におけるCAE(Computer Aided Engineering)解析ソフトウェアを開発するスタートアップ。AIを用いた独自の特許技術IsoGCNにより、流体(空力など)のシミュレーションを従来の手法よりも高速化することが可能で、自動車産業を中心にドローンやエアモビリティ分野を含め、幅広くものづくりの現場で利用することができる。

 従来のCAE解析は、専門性が高く計算量が多いため時間がかかり、多くの設計を試すことができないことが課題であった。RICOSはAIを活用し、複雑な3D形状を扱え、高速なシミュレーションを行うことができるソフトウェアを開発している。これにより、多くのシミュレーションを行うことが可能となり、ものづくりにおける設計の効率化・コスト削減・付加価値向上への貢献が期待される。

 現在、日本国内では無人航空機のレベル4飛行(有人地帯における補助者なし目視外飛行)が解禁され、さまざまな形での利活用の事例が広がることが期待されている。今後、ドローンの飛行の長時間化や、飛行回数の増加が見込まれ、飛行の安定性や効率化が求められる。ドローンやエアモビリティ産業が同社のCAE解析ソフトウェアを活用することにより、安定飛行や電費向上が図られることを期待し、DRONE FUNDは今回の投資に至ったとしている。

各社コメント

RICOS 代表取締役 井原 遊 氏

 この度はご出資を頂きありがとうございます。

 ドローンが前提の社会基盤を創るという高峻なビジョンを掲げていらっしゃるDRONE FUND様のファミリーの一員として迎え入れて頂けたことを、弊社もとても大きな励みとなっております。

 RICOSは製造業のシミュレーション・設計業務の高度化に強みを持つ会社です。今後ドローンの社会活用が進むことが想定され、弊社が貢献できる現場が増えていくことが想定されます。

 既にその未来を見通し、先手を打って頂いたご慧眼に感服するところでございます。今回頂いたご縁を大切に、ドローン前提の世界へのドライブの一助となれる様努めてまいります。

DRONE FUND 共同代表 大前 創希 氏

 DRONE FUNDが目指す「ドローン・エアモビリティ前提社会」を実現していくためには、機体の性能向上は不可欠だと考えております。

 特に、機体の軽量化や空力特性の分析は、飛行安定性の確保や電費向上に向けて非常に重要な要素となっております。RICOSは、これまで専門性が高く長時間を要した製品設計におけるCAE(Computer Aided Engineering)解析を、独自技術を用いて高速化することができるソリューションを提供しています。

 ドローン・エアモビリティにおける製品設計の効率化・付加価値向上に大きく寄与すると考え、投資を決断いたしました。私たちは「ドローン・エアモビリティ前提社会」の実現に向けて、RICOSの支援を進めていきます。