2023年10月11日、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は、2023年4月1日施行の改正道路交通法に定められた遠隔操作型小型車をはじめとした、屋外で活用される自動走行ロボットを導入する企業向けに、ロボット運用業務をアウトソースできる自動走行ロボット管制サービス「RobiCo」の提供を同日より開始すると発表した。

RobiCoブランドロゴ

 日本の人口は2010年をピークに減少局面に入っており、2040年には65歳以上が全人口の35%を占めるとの推計が公表されるなど、少子高齢化が進んでいる。減少する労働人口への対応や高齢化社会に対応した街づくりが求められる中、配送や警備、移動手段などとしてロボットの活用ニーズが一層高まると想定される。

 しかし企業が、特に屋外においてロボットを導入する上では、運用人員や遠隔操作者(以下、オペレーター)の配置、運用業務を行うための場所やIT設備などの環境(以下、業務環境)整備など、運用体制の構築や諸手続の面で、ロボットを導入する企業が対応しなければならない事項が多く存在している。

 RobiCoは、業務環境整備や運用業務までを一元的に担うことで、ロボットを導入する際に大きな課題となり得る「遠隔操作を含むロボットの運用業務」にかかる負担を大幅に軽減し、企業のロボット導入・利活用を支援する。

サービスのコンセプトイメージ

サービス概要

 RobiCoは、ロボットを導入する企業が、ロボットの運用業務をアウトソースできるサービス。NTT Comが業務環境および体制を整備し、ロボットの運用業務を一括で請け負うことで、ロボット運用に必要な人材確保や育成といった導入企業の負担を軽減する。

 さらに、NTT Comが独自開発したロボットの運用管理システム「Robility management system」(以下、RMS)を採用しており、ロボットを効率的かつ安全に運行させることができる。

提供内容

専門のオペレーターによる運用
 公道でロボットを運行する場合、改正道路交通法で定められた交通ルールを遵守しつつロボットの運行ができるオペレーターの配置が必要となる。RobiCoでは効率的な運行だけでなく、定められた法令に沿った対応が可能な専門のオペレーターを配置する。

運用管理システムRMSを活用した効率的な運行・管理
 ロボットを用いた業務の遂行に必要となる機能を実現する運用管理システムRMSを独自に開発。ロボットから取得した映像の表示や操作などを行うツール(遠隔操作装置)と併用することで、効率的なロボットの運行や業務の管理を行う。

<RMSの機能>

1. さまざまなメーカーのロボットの一元管理機能
 メーカーや機種に依存せず、同一のオペレーター画面で位置情報を一括表示。ロボットの活用領域が拡大するにつれて利用するロボットの種類が増えても、同じツールで一元的に運行管理ができる。

2. 導入企業の既存システムと連動した運行計画の立案機能
 導入企業がもつ既存システム(注文システムなど)と接続可能なAPIを用意し、既存システムと連携が可能。例えば、注文予約にもとづきロボットの運行計画を立案することができる。

3. 計画通りの運行をサポートする監視・アラート機能
 立案された運行計画に基づき時間管理を行い、遠隔監視しながら運行を補助する。オペレーターが着実に定時運行を行うため、運行計画に対応した、出発・到着を意識づけるためのアラート機能を用意している。

4. リアルタイムな周辺環境の変化に応じた運用
 外部とのデータ連携機能により、現地の天候変化や通行の妨げとなる環境変化などの情報を事前に取得し、RMSを通じてオペレーターにリアルタイムで通知することで、危険を避け、安全に運行する。
※提供開始当初は、天気情報の取得のみ。今後、工事情報の取得および運行計画への反映を実装する予定。

サービス提供範囲のイメージ

今後の展開

 今後同社は、導入時の負担軽減、アフターサポートなどのラインナップ拡充を図り、ロボットを導入する企業の一気通貫でのサポートを目指す。対象とするモビリティ種別についても、自動走行ロボットの対象機種の拡大や、その他の自動走行型および遠隔操作型のモビリティの運用に活用できるよう検討を進める。また、複数のロボットを用いるユースケースの創出やその実現に向け、今後さまざまなロボットメーカーとの協業を進めるとしている。