2023年7月3日、出光興産と双葉電子工業は、共同開発した国産ドローンを活用して地域課題を解決するサービスの事業化検討を開始することを発表した。

 複数用途に対応する機体の開発に加え、サービスステーション(以下、SS)を起点とした設備点検、農業利用、物流配送、災害対応の事業化に向けた検討を行うほか、ドローン操縦技術者の育成にも取り組む予定だという。

共同開発中のドローン

 両社は、1台の機体で複数用途に対応するマルチユースドローンの開発を2022年度から進めてきた。機体下部のアタッチメントを付け替えることで、物流や撮影、有線による長時間飛行など、複数の用途に対応する。加えて上空LTEを使用した無線技術の活用により、外部サーバーを経由することなく複数拠点にデータ送信をしたり、オンタイム電送(※1)したりすることも可能になる。マルチユースドローンを実際の用途で検証することで、サービスの実現につなげるとしている。

※1 ネットワークを通じてリアルタイムで撮影画像などを電送する技術

点検実証の様子

検討する事業内容

1. 機体開発
用途に合わせたアタッチメントや簡易な操作システムの開発
次期開発機として小型機の開発

2. サービス提供
 以下の分野で全国のさまざまな企業と連携し、実証実験を実施する。

製造分野:出光興産の事業所内設備や寒冷地(北海道)でのソーラーパネル設備点検への活用
農業分野:果樹・茶畑等の整備の高度化に向けた傾斜地での巡回生育監視および測量
災害対応分野:SSを拠点とした有線給電飛行による長時間の状況監視および自治体への監視状況の同時提供

 上記以外の分野(観光地での空撮やSSを活用した物流等)においても、ドローンに関連する各種制度や環境の変化に応じて実証実験を実施し、サービス範囲の拡大を目指す。

3. 人材育成
操縦技術者育成スクールの全国展開および資格取得後のサポート体制構築
機体認証制度に応じたメンテナンス等、アフターサポートの体制構築