KDDIスマートドローンは、2023年6月26日から、送電鉄塔の点検において、ドローンによるデータの取得からAI画像解析による不良箇所の判定支援までをトータルでサポートする点検サービスの提供を開始する。

 また、顧客のドローンによる撮影業務内製化をサポートする操縦者教育プログラム「鉄塔点検コース」の提供をKDDIスマートドローンアカデミーで開始する。

サービス提供イメージ

 送電鉄塔の点検業務では、ドローンを活用する場合においても、ドローンで撮影した大量の画像を目視で確認する必要があり、不良箇所の判定や帳票作成など膨大な工数がかかる。

 同サービスでは、ドローンの飛行および点検データ取得などを役務提供する。ドローンで撮影した画像をAI解析することで、鉄塔のサビを自動で検出。顧客の所定形式で点検報告書を出力できるよう、帳票作成に関わる個別開発も行う。

 今後も蓄積した登録データから新たな不良検出AIの開発を行い、ボルトの緩みや緩み止めの脱落など、検出可能な不良箇所のラインナップを追加していく予定だ。KDDIの保有する通信鉄塔の点検においてもドローンやAI解析の活用に取り組み、その技術やノウハウを同サービスの提供価値向上につなげるとしている。

画像解析AIによるサビの自動検出

 ドローンによる点検は、不良箇所の判定精度を高めるために複数方向からの撮影画像を確認する必要がある。点検員による大量の画像の目視確認を要するため、画像解析AIによる業務効率化が非常に有効となる。送電鉄塔ではサビによる不良箇所が最も多いことから、サビ検出のAIモデルをアラヤと開発した。

サビ検出イメージ

ボルト不良検出(開発中)

 送電鉄塔の点検では、サビの他にも複数の点検項目がある。特に鉄塔の部材や架線金具等に使用しているボルト・ナットは鉄塔1基あたり数千本あるため、大量の画像からその緩みや脱落を人の目で判定する必要があり、ドローン点検を実施するうえで課題となっている。

 同社は東北電力ネットワークと協業し、ボルト不良検出(緩み止め脱落、ダブルナット緩みなど)などのAI解析モデルの共同開発を行っている。

開発中のボルト不良検出