2023年6月19日、SkyDriveは、現在設計開発中の空飛ぶクルマ商用機「SkyDrive式SD-05型」の新たな機体仕様とデザインについて発表した。また、空飛ぶクルマの製品名を、社名でもあり同社のビジョン「空を、走ろう。」を表す「SKYDRIVE(スカイドライブ)」と命名した。

 運航会社やエンドユーザーから要望があり、同社は以前から最大搭乗人数を2名から3名に設計変更し、試験や検証を重ねてきた。今回、独自ローターフレームの特許申請が完了したことを受けて、発表に至ったという。同社が独自開発したドーム型ローターフレームとローターの曲面配置により、機体をコンパクトに保ちつつ、3人乗りが可能となった。12基のモーターの働きを最適化し、電力効率を向上。これにより収益性の高い運航、より便利で楽しい体験を提供することが可能になるとしている。

機体仕様の新旧比較表

 またSkyDriveは、次のフェーズである製造に向け、同日スズキと協力体制の基本合意を締結している。今後、大阪・関西万博での運航に向けて2025年に耐空証明を取得し、続いて2026年に型式証明を取得、量産およびデリバリーの開始を目指すとしている。

 耐空証明は1機ごとに設計が安全性および環境適合性の基準を満足すること、製造過程が設計どおりに製造されていること、そして個々の機体が基準を満足することを証明するもの。型式証明は、同一機種の全機体共通の、設計や製造過程が基準を満足することをあらかじめ証明するものである。

 大阪・関西万博に向けては必要な基準に対し、大阪・関西万博で飛行する個別機体の設計検査、製造過程検査および実機検査を受け、耐空証明を取得する計画だ。

 なお同社は、米国での事業開始に向けてアメリカ連邦航空局(FAA)での型式証明の取得も目指している。