2023年6月8日、エアロセンスは、科学技術振興機構(JST)が推進する、内閣府と文部科学省が定めた研究開発構想による経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)に、次世代の垂直離着陸型固定翼(VTOL)ドローンの研究開発課題が採択されたことを発表した。

 同プログラムにおける令和4年度(2022年度)第1回の研究開発構想(プロジェクト型)「災害・緊急時等に活用可能な小型無人機を含めた運航安全管理技術」の「小型無人機技術」の公募(1課題あたり最大5億円程度)に採択されたもので、この結果にともない同社は、現行機よりも大型のVTOLドローンの開発に着手する。

 K Programでは、日本が国際社会において中長期的に確固たる地位を確保し続ける上で不可欠な要素となる先端的な重要技術について、研究開発およびその成果の活用を推進している。

同社開発のVTOL初代機(左)と現行機「エアロボウイング(AS-VT01)」(右)

 同社は、次世代の大型VTOLの開発に際してはプロジェクトを発足し、流体解析や無人航空機の設計に精通した学術機関と連携し、研究開発を推進するとしている。

 大型VTOLは災害および緊急時の物資運搬や、精度の高い機器を搭載した撮影・点検での活用を想定。ペイロードは現行機のVTOL型ドローン「エアロボウイング」の10倍となる10kg、飛行時間は2倍の90分以上、1000m上空での飛行性能、防水などの対候性を備える予定だ。

 また、エアロボウイングにも次世代機に搭載する性能や機能を盛り込み、より高度な点検や調査などで活用が可能な機体へと改良を図る。

 次世代の大型VTOLの完成は2年後を予定しており、同社のハイエンド機体として製品ラインアップに追加するとしている。

現行型と次世代の大型VTOL機の諸元比較
現行VTOL機
「エアロボウイング」(AS-VT01)
想定する次世代の大型VTOL機
全幅2150mm4500mm
ペイロード1kg10kg
飛行時間約40分90分以上

※次世代型VTOL機の諸元情報は計画段階のもので、変更の可能性がある。