2023年6月1日、日本マルチコプター協会(以下 JMA)は、特許技術である水上監視システムを使用した「マリンドローン」の開発を発表した。

 マリンドローンは、水上バイクや小型船舶等をラジコン化し、遠隔操作と自動運転を組み合わせた特許技術の水上監視システムを搭載した水上ドローン。マリンドローンやモニター等に設置したカメラの映像をFPV(一人称視点)ゴーグルに投影し、機体と連動するコントローラーで操縦する。

 水産業界における監視と管理は、従来の方法では多くの制約とリスクを伴う。小型船舶等をラジコン化することで、水産関係者は密漁監視や養殖管理などの業務において、夜間や悪天候下でもリアルタイムに遠隔地から監視を行うことができる。

 さらに、自動運転機能を組み合わせることでマリンドローンを無人化。養殖プールの巡回やえさの補給、海上物流を自動化することで、労働力の削減や業務効率化が期待される。悪天候時でも自動航行するため、物流の滞りを最小限に抑え、迅速なサービス提供が可能になるとしている。

 水産業界だけでなく、観光業界ではライフセーバーに応用し、安全で楽しい体験を提供する新たなツールとして取り入れたり、環境保護活動においては、自動運転技術による海洋ごみの収集や海洋生態系のモニタリングなどへの活用が見込まれる。