2023年5月18日、ワイヤレス給電の専業メーカーであるビー・アンド・プラスは、ドローンが着陸するだけで自動充電するワイヤレス充電の試作機を開発したことを発表した。

 レベル3(無人地帯における目視外飛行)、レベル4(有人地帯における目視外飛行)におけるドローンの自動飛行技術が進む中、バッテリーの充電や交換は有人で行う必要があり、夜間のドローン活用や定期監視などの運用の課題となっている。一部、自動接触型の充電装置の開発も進められているが、屋外で使うドローンでは雨風の影響や接触不良、接点部のさびなどいくつかの課題があり、屋外でも充電可能なワイヤレス充電のニーズが高まっているという。

 同社は小型ドローンに搭載可能なワイヤレス充電装置の試作機を開発。ドローンの底面にはカメラが搭載されていることが多いため、カメラをよけたリング構造で後付けが可能なユニットとした。海外製のドローンでよく使われるType-C PD充電対応のワイヤレス充電となる。

2023年4月に公開した実験動画

ドローンへの組付け

 まずはドローンにワイヤレス給電の受電装置とType-C充電装置を組付ける。次に、機種によってはスイッチ(SW)がオンの時は充電ができないようになっているため、充電開始時にドローンのSWを自動でオフにするオリジナルSWを取り付け、Type-Cの充電ケーブルをドローンに接続する。

ドローンとワイヤレス給電受電部、Type-C充電装置とオリジナルの起動SW。

ワイヤレス充電搭載ドローンの防水実験

 ワイヤレス充電は、電気的接点を持たず電気を送ることができるため、充電ステーションに異物があっても充電が可能。雨に濡れても影響がない。

 今回の実験では、DJI Mavic 3にType-Cの充電タイプを組付けたが、3SのLiPoバッテリーや4SのLiPoバッテリー搭載のドローンなど、同社は機体に合わせてカスタマイズ可能な試作開発を進めている。