2023年4月18日、SkyDriveは大豊産業と、空飛ぶクルマ導入に関する覚書を2023年4月17日に締結したことを発表した。この覚書によりSkyDriveは、空飛ぶクルマの商用機「SkyDrive式SD-05型」のプレオーダーに合意(※1)した。

※1 プレオーダーの合意:設計開発中の製品について、納期・仕様・価格等の変動幅を提示、合意した上で予約購入の覚書を締結すること。

高松市のサンポート高松で行われた調印式の様子(2023年4月17日)。大豊産業 代表取締役社長 乾和行氏(左)、SkyDrive代表取締役CEO 福澤知浩氏(右)。

 SkyDriveは現在、小型、電動、垂直離着陸が特徴の空飛ぶクルマSD-05の開発に取り組んでいる。2人乗りでパイロットが操縦するが、コンピュータ制御のアシストにより飛行を安定させる。最大航続距離は約10km、最高巡航速度は100km/hで移動できるように設計している(今後の設計開発の進捗によりデザインや仕様変更の可能性がある)。
 この機体は、国土交通省の型式証明取得を目指しており、2025年の大阪・関西万博における空飛ぶクルマの飛行実現を目指している。

現在設計開発中の「SkyDrive式SD-05型」デザイン

 トータル・エンジニアリング企業である大豊産業は、香川県に本社を構え、四国電力グループ、大手化学工場、石油精製工場、原子力発電所、製紙工場等を顧客とし、制御・計装機器の販売や保守、電気・通信・土木工事を手掛けている。近年では畜産業界向けに自動走行・監視ロボットを自社開発するなど、新規分野への投資を積極的に行っている。

 2023年3月に設置された空飛ぶクルマに関する香川版官民協議会の構成員を務める同社は、島嶼エリアを抱える香川県、愛媛県をはじめとした四国の移動課題解決や地域活性化を目的として、今後空飛ぶクルマを活用することが重要と考え、事業検討の本格化に際し、購入予約の申し込みを行ったという。

 今後両社は、四国での空飛ぶクルマの活用を目的として、運航オペレーター、バーティポート(離着陸場)や給電インフラのプロバイダーなど、実現にあたり必要なステークホルダーと協力していくとしている。

各社コメント

大豊産業 代表取締役社長 乾 和行 氏

 SkyDrive社と機体購入に関する覚書を締結し、エネルギーマネージメントを中心としたビジネスで連携出来ることをとても嬉しく、誇りに思います。遠い未来だと思っていた空飛ぶ車の実現が、もう目前に迫っており、スカイドライブ社と大豊産業が協業し、地域社会の発展や世界の人々のより豊かな暮らしを実現していくことにワクワクが抑えきれません。

 多島美に代表される絶景を備えた風光明媚な四国の空で、そしてタイをはじめとした世界中の国々で日本製の空飛ぶ車が活躍する日を夢見て、プロジェクトの成功に最大限尽力して参ります。

SkyDrive 代表取締役CEO 福澤 知浩 氏

 2025年大阪関西万博を契機に事業化が開始する空飛ぶクルマですが、国内で最も運航に適しているのは大阪湾にもつながる瀬戸内近郊です。年中温暖で比較的風も弱く、天気に恵まれています。そして香川には離島への観光や、本島と離島の生活移動手段としての利用方法が考えられます。愛媛県を始めとした瀬戸内地域は海を囲む形で、移動に時間がかかるという課題もあり、様々な利用方法の可能性があると考えています。今後、大豊産業と一緒に様々な利用方法を検討し、瀬戸内・四国地方での「空飛ぶクルマ」という新しい移動方法と、移動の楽しみを提供し、地域活性化を目指して参ります。