2023年3月16日、SkyDriveと、カナダのVPorts and Air Traffic Management Inc.(以下、VPorts)は、双方の事業開発および市場拡大に向け、ドバイのAdvanced Air Mobility(AAM ※1)・インテグレーター・ワールド・センターを活用した技術およびビジネス面での協業に関する業務提携の覚書を締結したことを発表した。

 AAM・インテグレーター・ワールド・センターは、VPortsがドバイに設置を計画している、電動垂直離着陸機(eVTOL)の試験や運用が可能なAAMのイノベーションハブ施設で、2024年の完成を予定している。

※1 空飛ぶクルマを含む次世代空モビリティの総称

 SkyDriveは現在、小型で電動、2人乗りの空飛ぶクルマ「SkyDrive式 SD-05型」の開発に取り組んでいる。2021年10月には国土交通省がSD-05の型式証明申請を受理し、型式証明取得を目指して開発を進めている。

 AAMのインフラにおける設計、建設、運用を手がけるVPortsは、ドバイ・サウス内にAAM・インテグレーター・ワールド・センターを設立するため、2022年12月にMohammed bin Rashid Aerospace Hub(以下、MBRAH)と戦略的提携について合意したことを発表。この設立計画の一環として、MBRAHとアラブ首長国連邦民間航空総局(GCAA)の協力のもと、AAMの主要プレーヤーと協業することによって湾岸協力理事会(GCC)参加国の市場を開拓し、この地域でイノベーションを展開することを目指している。

 SkyDriveは、AAM産業の国際的な成長を促進し、eVTOLの認証を加速させるためのインフラの1つとして、VPortsがドバイに設置するAAM・インテグレーター・ワールド・センターの活用を検討している。

各社コメント

SkyDrive 代表取締役CEO 福澤知浩 氏

 ドバイを中心とした、UAE政府のAAM戦略の一翼を担えることを嬉しく思います。SkyDriveは、日本における「空飛ぶクルマ」のリーディングカンパニーであり、電動でコンパクトな機体の開発を進め、エアタクシーとして活用いただくこと、そしてゼロエミッションの交通手段を提供することを目指しています。同センター内で当社の「空飛ぶクルマ」の機能を試験・実験するための航空路を確保し、都市部での飛行開始前に安全性を保証することは大変重要です。SkyDriveの最も重要な市場の一つであるUAEにおいて、世界的なAAMの戦略的プロジェクトの一員となり、ドバイ・サウスにおいてGCAAとも協業できることは、とても心強いです。

VPorts and Air Traffic Management Inc. 創業者兼CEO Dr. Fethi Chebil

 AAM・インテグレーター・ワールド・センターの施設や空域を活用し、AAMセクターの未来を形作る仲間として、SkyDriveが加わることを歓迎します。我々のドバイにおけるこの取組みは、2045年までに世界中に1,500のバーティポートを建設・運用するという当社の戦略や野心に沿ったものです。