2023年4月12日、メトロウェザーは、ドローンや空飛ぶクルマが安全に運航・離着陸するために必要となる、突風や乱気流情報をリアルタイムに可視化する3次元風計測装置(ドップラー・ライダー)のネットワーク構築を大阪ベイエリアおよび都市部で進めており、その第1号機を大阪市住之江区にあるアジア太平洋トレードセンター(以下、ATC)ビル屋上に設置したことを発表した。

 大阪府の令和4年度エネルギー産業創出促進事業補助金(技術革新に関連する先端技術等の実証実験)事業の活用と、大阪市、大阪産業局、ソフト産業プラザTEQSの協力のもと設置したもので、メトロウェザーは2022年度から実施している実証を2023年度も継続するとしている。

 ATCは大阪・関西万博会場から至近距離に立地し、今回設置したドップラー・ライダーにより万博会場上空や大阪ベイエリア一帯の風の状況をリアルタイムに計測・可視化することが可能になった。

ATCビル屋上に設置した小型ドップラー・ライダー。ミラーが水平360度、垂直90度回転し、万博会場予定地と大阪ベイエリア一帯の風の状況を3次元で計測する。

 同社のドップラー・ライダーは、空気中に浮遊する微細なチリに人体に無害な赤外線レーザーを照射し、その反射波を受信することで半径10~15km圏内の風向・風速を3次元で測定する。同技術は2021年に米国NASAにも認められ、大阪の事例に引き続き2023年度に米国でNASAのドローンテストフィールドに展開するとしている。