2022年12月19日、SKYSCAPEは、風力発電点検システムを開発するCloboticsと共同で、自律型ドローンによる商用風力発電機の実証点検を実施したことを発表した。

使用した機材(左)、実際の点検の様子(右)

 Cloboticsは、4万5000基以上のタービン点検を行った経験を活かし、風力発電機の欠陥や補修箇所を自動で検知し分析するドローンシステム「Clobotics IBIS」を開発している。このシステムは3枚全てのブレードのそれぞれ4面を詳細に検査することができ、ブレード部分に損傷や欠陥があれば自動的に撮影・分析しデータ化を行う。ブレードの定期的な検査によって、補修が必要な欠陥が早期発見できるため、コストのかかる重大な欠陥のリスクを低減する。

 現在このシステムは欧州の風力発電市場で広く利用されているが、日本ではまだ数例だという。今回のプロジェクトでは同システムを日本市場で拡大するための先駆けとして、自律型ドローンを用いた商用風力発電機1基の点検を行った。その結果、目視による点検と比べて6時間以上の短縮となる、約23分で終了することができた。

 自律型ドローンによる点検は、時間の短縮だけでなくコストの削減や、従業員を高所作業させる必要がないため安全性の確保などが期待されている。同社は今後、日本市場で自立型ドローンによる風力発電機の点検作業の拡大と普及を目指すとしている。