2023年3月6日、NEXT DELIVERYは、2023年2月28日に茨城県境町において、ドローンを活用した新スマート物流SkyHub始動に向けた取り組みとして、住民向けのドローン配送サービスのデモンストレーションを実施したことを発表した。

 2022年10月に境町、セイノーホールディングス(以下、セイノーHD)、エアロネクスト、BOLDLY、セネックは「ドローン、自動運転バスを含む次世代高度技術の活用に関する協定」を締結。これを基に、セイノーHDとエアロネクストが開発推進するドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流SkyHubの拠点となる「ドローンデポ境町」を2023年2月に開所しており、今回のデモンストレーションはその具体的な活動の一環となる。ドローンデポは、既存の陸上物流とドローン物流との接続点に設置される荷物の集積・配送の拠点であり、荷物をドローン配送できる仕組みを備えた倉庫の役割を持つ。

 NEXT DELIVERYはエアロネクストの子会社で、ドローン運航やドローンデポ境町の運営を含む、新スマート物流SkyHubの実施を推進している。

境町金岡地区を飛行するドローン

 過疎化が進む地方では、公共交通の維持、物流業界の人手不足、高齢者を含む買い物難民の問題が深刻化している。今回の実証では、地上輸送とドローン配送を連結させたSkyHubの導入により、物流における人手不足の問題を解消し、高齢者や買い物難民などの利便性向上や地域経済の活性化を図ることを目的とする。また、従来の物流手段に比べてCO2の排出量が少なく、環境負荷の軽減につながるとしている。

 実証実験は、市街地から地上輸送とドローン配送を連結させて実施。境町金岡地区の住民に、ドローンデポ境町の並びにある飲食店のラーメンや弁当を、ドローンデポから車で約5分の旧ゲートボール場まで軽バンで運び、そこでドローンに搭載。ドローンは約3kmの距離を約5分飛行して注文者の元に商品を届けた。機体は、エアロネクストとACSLが開発した物流専用ドローン「AirTruck」を活用した。

ドローン配送したラーメンと搭載用の箱
搭載用の箱に入ったラーメン
ドローン配送した熱々のラーメンを受け取った注文者(境町金岡地区)